腰に違和感があり、またぎっくり腰になりそうなとき、 「ひどい痛みはもうごめんだ・・・」とうんざりとした気持ちになりますよね。 「ぎっくり腰がある限り、将来が不安だ・・・」なんて後ろ向きになってしまう人もいるかもしれません。 ぎっくり腰の原因は筋肉の痙攣(筋肉がつること)にあると考えられていますが、ぎっくり腰とひとことで言っても、痙攣する筋肉は主に以下の3種類に分けられます。 ・腰方形筋(ようほうけいきん:上半身の左右のバランスをとる筋肉) ・大腰筋(だいようきん:膝を上げる筋肉) ・脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん:背筋を伸ばす筋肉) 今回は、この3つのうち、腰方形筋が原因となるぎっくり腰にスポットを当て、その特徴と予防法についてお話ししていきます。 腰方形筋が原因であるぎっくり腰の特徴 症状の特徴 このタイプのぎっくり腰は痛みとしては中程度なので、我慢して動けるくらいなのが特徴です。また、左右同時に腰方形筋が痙攣することは少ないので、痛みのある時は、左右どちらかに傾きます。 どんな人がなるか 腰方形筋は左右差のある人に多く見られます。同じ側で荷物をもったり、包丁や中華鍋などを扱う飲食店や、土木系の重いものを持つ職業の方に多く見られます。 このタイプの方は、普段から下痢もしくは便秘気味など大腸の調子が良くない方が多いです。お腹を押してみて、おへその横あたりが痛む方は大腸が弱って固くなっています。 大腸は後腹膜臓器(こうふくまくぞうき)と呼ばれ、それに含まれるのはお腹の左右にある上行結腸と下行結腸が、その他膵臓や腎臓などです。後腹膜臓器には炎症が起きると腰背部痛が起こりやすいという特徴があります。 腰方形筋の疲労が精神面に影響する 腰方形筋の疲労が溜まりやすい方は大腸の調子が悪い可能性があると書きましたが、大腸は消化器官の一つなので、食事によって調子が悪くなることが多く、また、精神面も大いに関係してきます。 東洋医学では、精神面で悲しんだり、後ろ向きな考えの人が大腸を弱らせやすいとしています。大腸が弱い人は悲しみやすく、後ろ向きになりやすいとも言えます。 後ろ向きになってしまう方はくよくよせずに、前向きな事を考えを持つことが大切です。難しい時は両手を広げて大きく深呼吸しましょう。また、日光に当たり、空を見上げるのも前向きな心を作ります。 大腸の調子を整え、ぎっくり腰を予防する 内臓と筋肉、精神面はお互いに影響しあうので、腰方形筋によるぎっくり腰を予防するためには、ストレッチを取り入れたり食事を改善するなどして、大腸と精神面を整えるのも効果的です。 腰方形筋のストレッチ 大腸が冷えたり、熱を持ったりで不調が出ると対応する筋肉に反応が出ます。その筋肉が腰方形筋(ようほうけいきん:上半身を起こし、身体の左右の傾きを調整する)です。 大腸の不調は腰方形筋の緊張に影響を与え、ぎっくり腰を起こす方の大半は大腸が冷え、腰方形筋の動きが悪くなっています。 ですので、腰とお腹を温めることも有効ですが、しっかりと筋肉をストレッチして血流を良くすることも大切です。 ストレッチ方法 椅子に座った状態で、両手の指を組んで、手のひらを上に向けて伸ばします。上半身をぐーっと伸ばした状態から、横に倒していきます。 この時、体幹の横が伸びていればOKです。左右とも伸ばした状態から少し斜め前に倒していきます。この体勢を5秒ほどキープしましょう。朝晩と3回ずつ行うと効果的です。 床に座れるときは大きく開脚した状態ですると、さらに効果的です。 大腸を整える食べ物 東洋医学では辛いものが大腸に良いとされていますが、トウガラシなどだけではありません。大根おろしやしょうが、らっきょ、シソの辛さも入ります。人間の体は辛みを感じると発汗作用があるのは、ご存じだとは思いますが、それ以上に全身の循環(体液のめぐり:血液、リンパなど)を良くします。 結果として、身体の中は台風のあとのようなすっきりとした状態になるのです。ただし、辛みを摂った後に腹痛やお尻が痛くなるようでは摂り過ぎなので気を付けてください。 逆に、大腸に悪影響を及ぼすのは大量の水分になります。大腸は水分の吸収も担当しているので、かちかちの大便を出す人は大腸が過剰に働いて熱を持っているか、水分不足になります。 大量の水分と書きましたが、具体的には清涼飲料水などの白砂糖を含む飲み物や、果汁100%のジュースでも飲み過ぎれば大腸の負担となり、動きを悪化させます。 お腹が冷えて出る下痢の方は、胃腸に熱を持たせるためにも辛みを必要とします。冷えた下痢の特徴は水溶性で勢いよく出ますが、熱を持った下痢は粘っこく勢いよくは出ません。熱を持っている方は酸味をとりましょう。 まとめ 日本人は欧米人に比べ胃腸が弱いと言われます。その原因の一つとして内向的で後ろ向きな性格も関係していると言われます。 また、最も多いぎっくり腰のタイプは年代を問わず、腰方形筋が原因でなる方なので、ぜひ、冷えやすい秋から冬にかけて適度な辛みを摂るように心がけてください。 ストレッチもあわせてやるとさらに効果的です。 筆者プロフィール 福原 真一郎 ほのか整骨院 大阪府枚方市出身。整骨院・リラクゼーション・訪問マッサージの分野を経験し、今に至ります。 鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の資格を持ち、現在は東洋医学の五行色体表や相生・相克関係を応用した治療を行っています。 治療後にはストレッチや五行色体表を応用した食事指導、生活習慣のアドバイスも行います。
筆者プロフィール
福原 真一郎
ほのか整骨院
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