私は普段、骨盤を中心に患者さんの身体を診ています。慢性的な肩こりや腰痛、激痛のぎっくり腰、その他身体の不調や不具合が骨盤を正しく整えたその瞬間に無くなってしまうケースを何百例も目の当たりにしてきました。 もちろん、全部が全部というわけではありません。しかし、徐々に消えていく例、寛解例も沢山見ています。 それらを含めれば身体の痛みはかなりの割合で骨盤のずれが起因になっていると思わずにいられないのです。 骨盤のメカニズムについては以前書かせて頂きました。 骨盤(仙腸関節)はなぜずれるのか、骨盤はなぜ歪むのか・・・。今回はこれについて述べさせていただきます。 骨盤がずれたり歪むと様々な不調を引き起こす まず復習ですが、骨盤(仙腸関節)は上半身の重さと、二本の脚から入力される地面からの反力、三方向からの力によって安定を保っています。この入力角度は骨盤の内部を120度ずつきれいに三等分しています。しかし、骨盤がずれたり歪んだりすることによってこの角度を保てなくなってしまうと様々な問題を引き起こします。 骨盤(仙腸関節)のずれ、歪みを起こす4つの原因 1.歩行不足 骨盤(仙腸関節)のずれを惹き起こす原因、その一番目は歩行不足です。 仙腸関節は歩行に深く関わっている関節です。歩くことをせず仙腸関節を動かさずにいるとここがずれて来てしまいます。 骨盤(仙腸関節)のずれを惹き起こす原因、以下は順不同ですが、不正な歩行が挙げられます。 ちょっとしたずれであればよく歩くことにより、自然に整ってしまうのですが、ずれが許容範囲を超えた状態のまま歩くとそれを助長してしまいます。 2.生活習慣 ハイヒールを履いたり、重いカバンを片方の手に持ったりした状態で歩くとずれの原因になります。 脚を組むなどの日常生活の癖、過度のスポーツ、過度のストレッチ、自転車の多用なども原因になり得ます。 自転車は一般的には健康に良いものと捉えられていますが、サドルにまたがることにより骨盤を下から攻撃し、ずれを発生させます。 同様の理由で特に女性の場合、性行為も骨盤をずらします。 私の治療院には不妊を主訴にお見えになる方も多いのですが、骨盤を整えた後、しばらくは行為を控えて頂きたいのが本心です。しかし、それでは本末転倒になってしまいます。 骨盤に悪影響が少ないのはいわゆる「動物体位」なので、それをお勧めしたいのですが、残念ながら、そこまで踏み込んだご指導は個々にはしていません。 3.外傷 厄介なのは尻もちなど、骨盤を直接ぶつける外傷です。ずれ方もまちまちで、仙腸関節内部を壊してしまっている場合もあるので整え、安定させるのが難しいです。 4.不適切な治療 もっと厄介なのは不適切な治療により壊された仙腸関節です。 「治療に行ったらもっと痛くなった」 「今まで痛くなかったところが痛くなった」 と言ってお見えになる方があります。骨盤を拝見するとどこから手を付けていいか分からない状態になっている場合もあります。 どの業界もそうだと思いますが、治療の世界も玉石混交です。私も道半ば、自分が玉だと言う気はさらさらありませんが、素人としか思えない人が平気で人様の身体を触っている例も沢山知っています。 治療院を選ぶときは信頼できる知人に紹介してもらったり、ヘルモアのようなサイトでじっくり、じっくり検討することをお勧めします。 まとめ 以上、骨盤をずらす原因をいくつか挙げてきましたが、いかがでしたでしょうか。 もし、心当たりのある習慣がある方がいたら、ぜひ改善してみてくださいね。 筆者プロフィール 吉川良介 柔道整復師 吉川整体院長 昭和41年2月 東京生まれ 平成11年3月 「梅ヶ丘よしかわ整骨院」開院 平成17年8月 同院閉院 平成17年10月 東急世田谷線上町駅前にて「吉川整体」開院 現在、都内を中心に東北や、関西方面からも訪れて頂く患者さんの施術に忙しい日々 を送っている。
4406
筆者プロフィール
吉川良介
柔道整復師
吉川整体院長
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします