今年もあとわずかになりました。 本格的に寒く風も強くなってきますと、気になるのは「冷え」。 寒さの厳しい冬は、体の冷え性に限らず、手の指や足の先が冷えて痛い、とか、赤くはれた『しもやけ』や、紫色に変色してしまう末端冷え性の方まで、とても憂鬱な季節です。 多くの方がお悩みのことでしょう。 そこで今回は、冷え性の仕組みをお話しし、どう対応したら冷え性が改善されるのかをご紹介いたしましょう。 冷え性の正体 冷え性というのは、「冷えたと感じてしまうこと」で、2つのことが考えられます。 1 体温の低下 2 神経の異常な興奮 このどちらか一方(または両方)で冷えを感じます。 それぞれ詳しくみていきましょう。 冷え性の正体1.体温の低下 体温とは、体内で作られる温度のことで、二通りの発熱方法があります。 内臓発熱:食べたものの消化や吸収などの化学反応による熱。 筋肉発熱:筋肉の運動による摩擦熱、運動の際の化学反応による熱。 偏食やダイエットによるカロリー制限(糖質ダイエットなど)は、体内での内臓発熱量を下げてしまい、冷え性の原因となります。 運動量の少ない生活を続けていると、筋肉からの発熱量が少なくなり、こちらも冷え性の原因となります。 また、子供より老人、男性より女性が冷え性を多く訴えられるのは、筋肉の量による違いとも言えます。 ですから、冷え性対策としてよく言われるのが、『正しい食事(体を温める食材や調理の紹介)』と『体を動かす方法(体操、ストレッチなど)』なのです。 冷え性の正体2.神経の異常な興奮 正しい食事をして、身体を動かす努力をしているのに、それでも冷え性と言われる方もおみえになります。 この場合考えられるのが、『神経の異常な興奮によって‶寒いと感じやすくなっている〟』というものです。 神経は末端にあるセンサーでキャッチした信号(痛覚や冷覚など)を、脳などの中枢神経に送って情報を処理しています(実際に痛いと感じたり、冷たいと感じたりすること)。 神経の異常な興奮とは、センサーが過敏な状態となってしまい、「‶普通の〟寒さを‶凄く〟寒い」と中枢神経に伝えてしまいます。 ですから、『同じ寒さでも人によって感じ方が違う』のです。 この場合、何が原因かと言いますと、 ズバリ「循環不全」です! 神経の異常な興奮で冷えを感じる原因は「循環不全」 循環不全とは、筋肉に異常のある方によく発生します。 なぜなら、筋肉は動くことで血液やリンパ液を戻す働きをしているからです。 筋肉に異常があると、自分の意識とは別に硬くなってしまい、動く量が減少します。 運動を行っても、筋肉の異常部分は硬いため動きが少なく、循環は良くなりません。 循環が悪いと、むくみ→はれ→だるさ→強い痛み、そして冷えとなっていき、運動をしたくても運動できなくなってしまいます。 その結果、筋肉は早く衰え、老化が進み、寝たきりを早めてしまうのです。 いかがでしょう? 冷え性と侮れなくなってきましたね。 「循環不全」の改善には筋肉を柔らかくする 残念ながら、筋肉の異常個所を柔らかくする治療は今の西洋医学ではありません。 なぜなら、筋肉を撮影する検査機械がないからです。 筋肉の硬さを知るには、その方の筋肉を触る必要があります。 そして、異常個所を探しだし、柔らかくする技術により初めて改善が期待できるのです。 昔の方は、夜な夜な家族同士で筋肉のマッサージをしあって、冷え性や痛みの予防をされていました。 例えば、お孫さんがおじいちゃん、おばあちゃんから童話や地域の言い伝えを聞きながら肩たたきをするという光景です。 今年の年末年始は、家族同士でマッサージしてみるというのはいかがでしょうか? 今回も、最後までお読みくださりありがとうございました。 みなさま、よいお年をお迎えください。 筆者プロフィール 中村金雄 TMBCマッサージ院院長 名古屋市・金山にて筋肉専門の治療院「TMBCマッサージ院(筋肉内の血液循環をあなたに合わせて整える療法)を拠点に活動中。 全身の筋肉から悪いところを探り当てる筋肉専門の治療が「魔法の指」と呼ばれ口コミで評判になる。今でも東京、神戸、高山、和歌山より月に一回、新幹線で名古屋まで通われるファンがいるほど。 現在、筋治療を行うと同時に、徒手療法研究会で筋触擦講師、筋治療セミナーの開催など、筋治療の普及にも努めている。
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筆者プロフィール
中村金雄
TMBCマッサージ院院長
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