変形性膝関節症という疾患には、目立つ特徴があります。この病気のひとつめの特徴は、発症する年代が40代や50代の女性に多いということです。もうひとつの特徴は、痛みを感じる部位は膝か股関節に限られるということです。 高齢化社会をむかえた現在、整形外科での変形性膝関節症の治療数は増えるばかりです。早めの診察と治療で、症状の進行を食い止め、痛みを緩和することができます。病気の特徴を覚えて、変形性膝関節症の早期発見に役立てましょう。 変形性膝関節症と関節リウマチの症状は大きく違います 変形性膝関節症とよく似た疾患に、関節リウマチがあります。しかし病院では問診とレントゲン撮影を行えば、誤診がおきることはほとんどありません。専門家が診察をすれば、この2つの疾患の差は明らかだからです。 変形性膝関節症の最大の特徴としては、膝か股関節に症状が限定されること、中高年になってから発症することなどがあげられます。それに対し関節リウマチはどの年代でも発症しますし、下半身以外の関節にも痛みを感じるうえ、発熱をともなうこともあります。 診断をより確実にするには、関節のレントゲン画像診断も必要です。レントゲン検査では、関節のすき間の幅を医師は確認します。関節の離れ具合から、軟骨の大きさがわかるからです。変形性膝関節症は関節の軟骨が小さくなる疾患なので、すき間が狭いときは変形性膝関節症だと判断されます。 変形性膝関節症は早期治療で進行を食い止めることができる 関節の軟骨は骨と骨の間でクッションのような役割を果たしています。これが少なくなると、関節の骨が変形したり、炎症をおこして強い痛みを生じたりします。 変形性膝関節症は、早めに対策で症状の進行を食い止めることのできる病気です。減ってしまった軟骨はもとに戻せません。しかし残った軟骨を守り、関節になるべく負担をかけない生活をこころがければ、手術をしなくても日常生活を支障なく送れるようになります。 痛みのコントロールと関節を守る治療を行います 変形性膝関節症と診断されたら、痛みのコントロールと、関節を守るための治療を行います。 初期の変形性膝関節症では痛みはほとんど生じません。しかし軟骨の磨耗が進むと、歩いたり関節を動かしたりするたびに、患者は強い痛みを感じるようになります。これを抑えるために、塗り薬や貼り薬を使うのが一般的です。疼痛がひどい患者には、医師は内服薬の鎮痛剤を処方します。 関節を守る治療は、太ももと膝周辺の運動療法が中心です。太ももの筋肉を適度に鍛えることで、膝関節を守ることができます。さらに関節周囲の筋肉を鍛えると、筋肉の柔軟性が高まることで関節の可動域が広がります。血行もよくなるため、関節に血液から栄養が行き渡り、残った軟骨を保護することができます。 まとめ 変形性膝関節症はけっしてめずらしい疾患ではありません。かんたんな問診と検査で、早期発見が可能です。症状の特徴をよく理解し、専門家の指導の下に正しい治療を早めに行いましょう。症状の進行を止めれば、手術をしなくてもこの疾病と一生つきあっていくことができます。
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