今や国民病と言われる高血圧。 「血圧が高ければ、食事で塩分を控えた方がいい」とか、 「イライラしたり怒ったりすると、血圧が上がる」というのは、知っている方が多いでしょう。 血圧が高いと聞くと、少しネガティブな印象を受けますが、必要に応じて体は血圧を高くしています。 今回は、血圧が高くなる理由と、意識的に血圧を整える運動方法について書いていきます。 血圧は酸素や栄養を全身に送るサポートしている 血圧は酸素や栄養を届ける血液を、全身に巡らせるのに必要です。 自分ではコントロールできない「自律神経」が血管を収縮させ、心臓から送り出される血液の流れを作り出しています。 そして全身の筋肉が伸びたり、縮んだりして、血管の働きをサポートしています。 この働きは年齢と共に衰えてくるため、その分、圧を強くする必要があります。 したがって、年齢と共に落ちてくる筋肉を維持して、しっかりと動かしてあげることが大切です。 活発に行動している人も注意が必要です 働き盛りの方や、精力的に何かに取り組んでいる方…悪く言えば、ストレスを感じている方は、頭を使ったり体を動かしたりするのに酸素や栄養が多く必要になります。 なので、酸素や栄養を運ぶ力である血圧が高くなる、という傾向があります。 その上、自律神経でも身体を活発にさせる「交感神経」を優位に働かせているので、無意識に体を緊張させています。 そのため、血管は縮まったまま、弾力性が失われた状態になっています。 血液を送り出す力が強く、受け止める血管の弾力性が失われていると、血管が傷ついたり、血液の循環が悪いため、一層圧を強めたりする必要があります。 活発に行動している人は、身体に過度な緊張があることに気付き、自律神経のバランスを整えてあげることが大切です。 意識的に体を動かすことが大切 血圧の上昇を軽減するには、伸ばしている部分に意識を向けて、筋肉をしっかり動かす運動や、ストレッチが有効です。 対戦したり競争したり、時間や負荷の数値などの体の外側に意識を向けるのではなく、自分自身の内側から体を感じることに意識を向けることが大切です。 運動であれば、動かしている部位に意識を向け、ストレッチであれば、伸ばしている部位に意識を向けます。 すると、自分が過度に緊張していることや、呼吸が浅くなっていることなど、ちょっとした体の変化や不調に気付いたりします。 そうすることによって、活性化し過ぎている自分に気付いて、気分が落ち着いてきます。 繰り返しているうちに、副交感神経も働いてリラックスすることができるので、自律神経が整ってきます。 老化による血液不良には、手足の先を動かす運動がオススメ 「物を掴む筋肉」と「脚を持ち上げる筋肉」は、年齢を重ねていくと筋力の低下が表れやすい代表的な筋肉です。 「物を掴む筋肉」は、腕でも肘から先にあり、指先まで血液を送るためのサポートをしています。 その筋肉が弱くなれば、心臓から遠い手先は血液循環が悪くなりやすいため、より血液を送り出す力を強くする必要があります。 これには手先を開いたり閉じたりする運動が有効で、これは手先が冷える方にもおすすめです。 また、脚を持ち上げる筋肉は、脚の付け根に位置する筋肉です。 そこに走行する太い血管やリンパは、その筋肉の影響を受けます。 弱くなってあまり働かなくなったり、緊張して硬くなっていたら、血液の循環が悪くなってしまいます。 お腹と太ももをくっつけるように脚を大きく交互に挙げる運動や、後ろ脚を置いてくるように、脚の付け根を伸ばしながら歩くのが有効です。 まとめ 具体的なストレッチや運動の方法を挙げてみましたが、注意する点は1つです。 先にも書きましたが、やり方や回数や時間などの外側に意識を向けるのではなく、ストレッチや運動を行っている時は、自分の内側から体を感じることを意識して、取り組んでみてください。 体を内側から感じることがピンとこなければ、1ミリずつ伸ばすようにストレッチをしたり、歩き方など、普段無意識に行っている日常動作を分割して、じっくりと動作に意識を向けてみるといいですよ。 ぜひ取り組んでみてください。 筋膜ボディセラピー著者:大久保圭祐 出版社:三栄書房 筆者プロフィール 大久保圭祐 全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト 米国Rolf InstituteR卒業し、世界三大ボディワークのロルフィングRを修得する。トレーニングやエクササイズ、ランニング等の運動処方、ストレッチングや筋膜リリース等の手技を使って、クライアントの要望に応える。各種メディアにてボディメークの監修、セミナー講師、コラムの執筆など幅広く活躍中。
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筆者プロフィール
大久保圭祐
全米ストレングス&コンディショニング協会認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
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