最近よく耳にすることばに、「骨盤矯正」というものがあります。 「骨盤矯正ダイエット」 「骨盤で痩せる」 「骨盤体操」 「骨盤矯正で◯◯が治る!」 なんてうたい文句、よく目に入りませんか? 今回は、そもそも骨盤矯正ってなんなのか?という疑問にお答えしています。 骨盤ってなんのためにあるの? 骨盤矯正を知る前に、まず骨盤の仕組みから理解していきましょう。 骨盤というのは、腰回りの骨組みで構成されています。 大まかな骨組みとしては、2つ。 1.腰の両側にある「腸骨(ちょうこつ)」 2.お尻側にある「仙骨(せんこつ)」 その他、その2つの骨にくっつくように、骨が連なっています。 そして、その骨盤に連なるのがこちらの2つの骨組み。 骨盤の上に「腰椎(ようつい)」 骨盤の下に「大腿骨(だいたいこつ)」 腰椎といえば、腰椎椎間板ヘルニアなどを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。 名前は難しく感じますが、症状としては馴染みはあるかと思います。 さて、話を戻しまして、骨盤の役割として重要なものが2つあります。 それは、内臓を守ることと体重を伝えることです。 内臓を守る 骨盤内には小腸の一部と大腸の大部分、それに膀胱、生殖器が入っています。 特に妊娠中の女性の場合は、大切な生命を育むところでもありますよね。 体重を伝える ひとことで言えば、骨盤は全身の「土台」です。 頭から背骨へと伝わった重力を下半身へと伝える重要な部分であり、下半身の衝撃を受け止める部分でもあります。 それゆえに、骨盤というのは、全身の調子を整える重要な「土台」と言われているのです。 しかし、二足歩行で歩く人間の性質上、重力は骨盤内でふたつに分かれて両足に伝えられていきます。 その重力の伝わり方が、骨盤のゆがみとなってしまう場合もあるのです。 次の項目では、その骨盤のゆがみについてご説明しましょう。 骨盤のゆがみって何? 骨盤は、重力の伝わる箇所ゆえに負担がかかりやすいのですが、関節が適切に動いていれば問題なく機能します。 しかし、長年の習慣や姿勢の偏りなどが積み重なってくると、その関節面の動き方もぎこちなくなってしまうのです。 そういう状態で重い荷物を持ったり、激しい運動をしたりすると、骨盤内への負担が限界に達して何らかの問題が出てきます。 その問題としては、下記の点が挙げられます。 ・痛みやしびれ ・代謝の悪化 ・消化吸収や排泄機能の乱れ ・生殖器官の不調 逆に考えれば、体に起こる不調の原因をたどると骨盤に行き着く、という見方もできるわけです。 もちろん、すべて骨盤に原因があるわけではありませんが…。 骨盤矯正って結局なんだろう? このゆがみを正そうとする技術が骨盤矯正ですが、その方法はいろいろあります。 今回ご紹介するのは、関節に着目した骨盤矯正です。 関節面というのは、「近づけると動きやすくなる」という性質を持っています。 この関節面の性質が、骨盤の負担軽減への鍵となっているのです。 先ほどの項目で述べたように、関節が適切に動いていれば、骨盤に負担がかかれど問題なく機能してくれます。 それを踏まえて考えると、全身の骨格に対して関節の動き方を調整することが、結果的に骨盤への負担軽減に繋がるのです。 この性質を利用すれば、強い力を加えることなく骨盤周りの骨組みを矯正することができます。 このように、全身の骨格を矯正するという意味で、「骨格矯正」や「骨盤矯正」と表現されているのです。 まとめ さて、いかがでしたでしょうか。 今回は、骨盤や骨盤矯正についてご紹介しました。 同じ骨盤矯正を受けるにしても、知らずに受けるより、骨盤の仕組みや矯正の方法を理解してから受けた方が安心できますよね。このコラムをきっかけに、より骨盤矯正に興味を持っていただけるとうれしいです。 それでは次回以降は、それぞれの痛みの部位と骨盤やその他の関節との関わりについて説明していきます。 筆者プロフィール 川村 浩 かわむら整体院院長理学療法士(国家資格)/3学会合同呼吸療法認定士イネイトホルダー 総合病院で脳血管疾患や整形外科疾患をはじめ、多岐にわたる疾患のリハビリテーションで16年の臨床経験を通して延べ5万人以上の患者に効果を上げる。 またその実績を評価され南米で現地の理学療法士や学生50人に関節機能障害の改善方法を指導する。関節疾患のスペシャリストとして延べ3万人の関節機能改善の治療実績を持つ。海外での治療実績も豊富で800症例以上の疾患を改善させてきた。 趣味は40代から始めたマラソンで、五島の海を眺めながら走るのを楽しんでいる。
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筆者プロフィール
川村 浩
かわむら整体院院長
理学療法士(国家資格)/3学会合同呼吸療法認定士
イネイトホルダー
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