冬から春になる季節の変わり目。 新しい門出を祝う、おめでたい時期でもありますね。 しかし、それと同時に、季節の変わり目には不調を訴える方が多くなります。 その原因のひとつが、自律神経バランスの乱れ。 今回は、その季節の変わり目と自律神経との関係について説明していきます。 自律神経とは? 簡単にいえば、「頭で考えなくても、生きていく上で必要な活動を勝手にやってくれる賢いやつ」です。 たとえば、あなたの手は今どこにありますか? 右手を上げてください。 上がりましたか? 上がりますよね。 無意識でもあなたは「右手をあげよう」と思ったから手が動いたんです。 次に、あなたの心臓は今どこにありますか? では、あなたの心臓に向かって「速く動け」「ゆっくり動け」と命令してください。 動き方は変わりますか? 変わりませんね。 同じように、内臓に「働け」と命じて変わるでしょうか? 変わりません。 これらの生命の営みに大切な器官は、体が勝手に維持管理機能を果たしてくれます。 自分で勝手に(自律して)働くから「自律神経」と呼ばれています。 交感神経と副交感神経 自律神経には2つの系統があります。 アクティブな活動屋さんの交感神経 奥ゆかしい控えめの副交感試験 それぞれに役目があるんです。 交感神経が働くと体が活発に動くような作用をします。 呼吸が速くなり、心臓の動きは活発になって血流が手足の隅々まで巡ります。 汗もかきやすくなり外で働くのにもってこいの状態になります。 副交感神経が働くと、ゆったりリラックスモードに入ります。 眠たくなります。やる気も下がります。 実はこの時、血流は内臓に集まり胃腸が活発に働きだし、消化吸収が効果的に行なえる状態に入っているのです。 天気と自律神経の関係 さて、そんな交感神経と副交感神経ですが、天候とも深い関わりがあるのです。 晴れている日は外に出かけたくなりませんか? 雨の日は家でゆっくり過ごしたくないですか? そうなんです。 晴れている時、地表の大気が高気圧におおわれているときは、交感神経が優先的に働きます。 逆に、低気圧の時は、副交感神経が優先的になります。 このように密接な関わりがあるところに、目まぐるしく変わる天気があったらどうなるでしょう? それが季節の変わり目の体調不良とつながるのです。 日本の春先は「三寒四温」と言われるくらい日によって大きく変動します。 そうなると自律神経もあっちにブレて、こっちにブレてと大忙しです。 しまいには胃腸の機能が弱まり、消化しきれなくなった毒素が体に溜まりやすくなっていきます。 つまり、病気の元を溜め込んでしまうのです。 生活の中で工夫を~自律神経を整える呼吸法~ では、どうしたら自律神経を乱されずに生活ができるのでしょうか? ここで突然ですが、「晴耕雨読」という言葉を思い浮かべてください。 晴れている日は耕して(働いて)雨の日は読書をする(ゆったりする) 実は、これこそが本来の自律神経に合った生活スタイルなのです。 でも現代社会でそういう生活はなかなか難しいですよね。 残念なことに、仕事や学校は天気で変わってくれません。 そこでオススメなのが、天気に合わせて呼吸数を意識して変えることです。 晴天の場合 晴れている日はたくさんの空気を取り入れることを意識して、できるだけ太陽の光を浴びます。 悪天候の場合 天気が荒れている時は、呼吸を静かに保ちます。 できるだけ自然のリズムとあなたの体のリズムを合わせていくと、自律神経のバランスも安定してきます。 以上を意識するだけで、自律神経の乱れをある程度防ぐことができます。 まとめ さて、いかがでしたでしょうか。 今回は、季節の変わり目と自律神経との関係について説明しました。 自然を自分の力で変えることは不可能ですが、生活に工夫を加えることは可能ですね。 天気で気分が浮き沈みしやすいかも・・・と感じていた方、気になる方はぜひお試しを! 筆者プロフィール 川村 浩 かわむら整体院院長理学療法士(国家資格)/3学会合同呼吸療法認定士イネイトホルダー 総合病院で脳血管疾患や整形外科疾患をはじめ、多岐にわたる疾患のリハビリテーションで16年の臨床経験を通して延べ5万人以上の患者に効果を上げる。 またその実績を評価され南米で現地の理学療法士や学生50人に関節機能障害の改善方法を指導する。関節疾患のスペシャリストとして延べ3万人の関節機能改善の治療実績を持つ。海外での治療実績も豊富で800症例以上の疾患を改善させてきた。 趣味は40代から始めたマラソンで、五島の海を眺めながら走るのを楽しんでいる。
筆者プロフィール
川村 浩
かわむら整体院院長
理学療法士(国家資格)/3学会合同呼吸療法認定士
イネイトホルダー
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