変形性膝関節症とつきあっていくためには、リハビリがとても重要となります。患者のほとんどは中高年の女性で、病名のとおり、膝を患う方が多いのが特徴です。この疾病では、さいしょは関節の温存療法がとられます。人工関節を移植する手術は治療の最終手段です。 変形性膝関節症になってしまうと、すりへった軟骨を元に戻すことはできません。膝関節をできるだけいたわり、残った軟骨を長く使えるようにすることが大切です。また腰や背中などを痛めないためにも、体重管理と正しい筋肉の使い方を徹底させる必要もあります。 体重を減らし脚の筋力をつけることが不可欠 変形性膝関節症を患うと、膝を動かすときに患部に強い痛みが生じます。痛みを軽減し、病状の進行を遅らせるには、膝関節に負担をかけないことが大切です。肥満すると下半身に必要以上の重みがかかります。変形性膝関節症の方にとって、ダイエットは避けて通ることはできません。 膝関節のまわりの筋肉を鍛えるリハビリも、変形性膝関節症の進行予防には効果的です。強い筋肉は、膝を守る天然のサポーターのような働きをします。椅子に腰掛けながら、軽い負荷をかけて太ももの筋肉を動かすといいでしょう。膝に負担をかけず、ほどよい筋力をつけることができます。 専門家の指導のもとに筋肉の使い方を覚える 自己流のリハビリでは、膝関節にまで負荷をかけ、変形性膝関節症を悪化させてしまう危険があります。整形外科医や理学療法士の指導を定期的に受け、正しいリハビリ方法を身につけましょう。 階段の昇降時や、床から立ち上がるときなどは、変形性膝関節症の方は患部に強い痛みを感じます。ここで無理な筋肉の使い方をすると、腰や背中の筋まで痛めることになるでしょう。こうした場面での脚の無理のない使い方を覚えるためにも、専門家によるリハビリ指導は欠かせません。 手術を選んだ場合の術後のリハビリ 変形性膝関節症の症状が進むと、手術を医師からすすめられることがあります。この場合、傷んだ関節を人工関節と入れ替える方法が採られます。人工関節を移植したあとは、膝の痛みもなくなるため、患者さんは日常生活をほぼ問題なく送れるようになります。 しかし人工関節置換手術をうけたあとでも、患者さんは体重管理とリハビリには気をつけなければいけません。 人工関節のポリエチレン部分には、すりへりやすいという弱点があります。肥満では、せっかくの人工関節の耐久年数が短くなります。また術後に十分なリハビリを行わないと、脚の筋肉が固くなり、膝をうまく曲げることができなくなることもあります。 まとめ 変形性膝関節症の方は、保存療法であれ手術療法であれ、脚のリハビリと体重管理には一生気をつける必要があります。ただ自己流の運動をくりかえして、ほかの筋肉や関節を傷めることのないように、専門家の定期的な指導を欠かさないようにしましょう。
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