茨城県取手市、「みうらマッサージ治療院」の院長 三浦ようです。 今回は、「どこにいっても症状が改善されない方向けの、治療院選びの決め手」について、実例をもとにお話ししようと思います。 聞きようによっては、自慢話のように聞こえるかもしれませんが、それは本意ではありませんのでご了承ください。 よそに行っても改善しなかったAさんのお話 「よそ」というのは、病院・整形外科・整骨院・整体院・もみほぐし店などです。 いくつかパターンがあるのですが、今回は当院のご来院者様(Aさん)の例をご紹介したいと思います。 Aさんは、専門的な技術が必要なお仕事をされている70代の女性です。 主訴は、肩痛。とにかく痛くて痛くてたまらないとおっしゃっていました。 Aさんは当院に訪れる前に3つの「よそ」を転々とされたそうです。 整形外科では、「年齢が年齢だし、仕事で手を使っているからしょうがない。手を使わないようにしなさい」と言われて憤慨。 整骨院では、電気とマッサージを組み合わせた施術を受け続けていたが痛みはなくならず。 さいごに友人に紹介された整体院に通いましたが、講釈を延々聞かされ、施術を受けたが改善しなかったそうです。 痛いと言えない苦しみが、改善を遅くさせる 当院では初回のご来院時に、現在の症状に至る経緯を詳しくうかがうようにしています。 Aさんは、現在の痛みの状態からさかのぼって、今のお仕事を始めた経緯、お仕事の苦労、家庭の事情、さらに若いころのお話まで、時間にして約1時間お話しくださいました。 「いろいろあったんですね、大変でしたね」 お話しが終わったところで私が口を開くと、Aさんは涙を浮かべました。 そして、こうおっしゃったのです。 「先生みたいに私の話を全部聞いてくださる方は、今までいませんでした。なんだか、軽くなったわ。先生が神様に見えます」 私は驚きました。 私は相槌を打ちながら、お話を聞いていただけです。 それなのに神様だなんて。 「…先生、私はね、“痛い”と言える人も、場所もなかったんですよ」 「病院の先生は検査して、写真見て、カルテ見て、私の方なんか見ないし、話もろくに聞いてくれない」 「整骨院の先生はいい方だったけど、話を聞いてくれたのは最初だけで、あとは若い人がパッパッパってやるだけだった」 「家族なんて、痛いなら病院に行けば?で終わりですよ」 お話をうかがい、Aさんが若いころからずっと頑張っていらっしゃったことはよく分かっていました。 その結果、今、体が痛い。 しかし、その痛みを分かち合ってくれる人が今までいませんでした。 そのつらさが、肩の痛みを“実際の肉体的な痛み”よりも大きく感じさせ、根深くしているのです。 だから症状が改善しにくいのだと、私はそう確信しました。 よそが悪いのではなく“あなたに合っていなかった”だけ Aさんと同じようなお悩みをお持ちの方はたくさんいらっしゃいます。 しかし、誤解しないでいただきたいのは、よその先生も決して悪い人たちではないのです。 病院の医師は、待合室にあふれる患者さんを時間内に診察しなければいけないから、1人1人にそんなに関わっていられない。 整骨院も同じです。同じ施術を一定の期間続ける必要があるから、どうしても単調になる。 ご家族も、「痛いなら病院で治してもらいなよ」と心からそう思って言っているはずです。 しかし、その結果Aさんはストレスを抱え、痛みも消えませんでした。 この日、カウンセリングの後に施術を行ったところ、Aさんは見違えるくらい明るい表情に。 そして、「本当に楽になった。肩が痛くないし、体が軽い!」とおっしゃって、定期通院を決められました。 現在、肩に痛みは全くなく、月に1回程度、疲労回復と体の動きをチェックするためにご来院くださっています。 コミュニケーションを大切にする治療院を選んで このお話を読んで、「インチキ臭い」「スピリチュアルっぽい」と違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。 それも、分かります。 しかし、その一方で共感される方もいらっしゃるはずです。 「そうそう、どこに行ってもスッキリしないのよ(心身ともに)」 「話もろくに聞かないで、症状が良くなるわけないよねえ」 これまでそういうお気持ちを持ったことがある方は、きちんとしたコミュニケーションを取ってくれる治療院を探しましょう。 たとえばホームページなどに「コミュニケーションを大切にします」「ていねいなカウンセリング」と書いているところです。 お話をすれば時間はかかりますから、短時間施術を売りにしている治療院は適していないかもしれません。 お友達から「話をよく聞いてくれる先生」という評価が聞ければ確実ですし、ネットのレビューでもそういうことが書いてあれば希望が持てます。 「話すことも聞くことも施術の一部だ」と私は考えています。 話しているうちに、ご自分の痛みについての理解が深まっていく方もいらっしゃいます。 押したり揉んだりするだけが、施術ではありません。 人であるご来院者様が、人である施術家と接して思いを通じることは、症状を改善に導くためにはとても大切なことなのです。 さいごに さて、いかがでしたでしょうか。 今回は、「どこにいっても症状が改善されない方向けの治療院選びの決め手」について実例を交えてお話させていただきました。 今回のお話には、実は健康保険の問題も関わっているのですが、そのお話はまたいずれ書かせていただきます。 ご参考になれば幸いです。 筆者プロフィール 三浦 よう みうらマッサージ治療院 院長 茨城県取手市、みうらマッサージ治療院院長。 自身の腰痛、頭痛、頸痛体験から、ひとに優しい治療院、患者様に寄り添う治療を心がけています。 あん摩マッサージ指圧師、介護予防運動指導員 日本DLM技術者会認定DVTM・リンパ浮腫セラピスト ABCハンドセラピーインストラクター
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筆者プロフィール
三浦 よう
みうらマッサージ治療院 院長
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