肩こりを改善させたいと思った人がまずやってしまっているNG行動とは… それはズバリ、ひたすらこった肩を揉む事です。 「え?肩がこるなら肩を揉めばなおるんじゃないの?」 「巻き肩なら肩を揉めばなおるんじゃないの?」 そう思われた方も多いかもしれません。 「肩がこるなら肩を揉めばなおる」 誰もが真っ先に思い浮かぶ事ですが、残念ながらどれだけこった肩を揉んだとしても、肩こりが根本的に改善するわけではありません。 なぜなら、肩こりを引き起こす原因にはアプローチできないからです。 私は肩こりの原因のひとつは「巻き肩」であると考えています。 実際、当院にも肩こりを改善したいお客様が多数来られますが、その方の多くが巻き肩でした。 なぜ肩を揉んでも肩こりが改善しないのか 巻き肩姿勢になると前のめり姿勢になり、それに伴い肩甲骨の位置や頭の位置も前のめり姿勢になっていきます。 この時、肩甲骨は体の前側の筋肉と後側の筋肉でまるで綱引きをしているかのように、前に引っ張られ続けている状態になっています。 こっている、緊張している状態になっていた背中は、実は「これ以上前のめりになってはいけない!」と必死に ”伸ばされながら耐えている状態” になっているのです。 この伸ばされながら耐えている背中が、緊張しているからといって揉んでほぐしてしまうと、一気に緊張がゆるみ、”より巻き肩姿勢が助長”されてしまうのです。 まるで綱引きで後側の組の力が一気に抜けてしまったような状態ですね。 背中の緊張というのは起こるべくして起こっている状態なので、こるからといってただひたすら揉みほぐしたとしても根本改善にはなりません。 日常生活を送るうちに、以前よりもさらに前のめり姿勢が増強された状態で生活をするわけなので、さらに肩こりが発生しやすい姿勢になってしまいます。 つまり、肩こりで肩がこるから肩を揉もうというのは、肩こりや巻き肩を改善するどころか、より悪化させてしまう結果につながってしまうのです。 巻き肩を根本から改善に導くために必要な3つの条件 では、どうすれば「肩こりを引き起こす状態=巻き肩」が良くなるのでしょうか? 私は多くのお客様の巻き肩を改善に導いてきましたが、そこにいたるまでには3つの条件がありましたのでご紹介いたします。 1.肩甲骨の位置を安定させる 巻き肩とは、肩甲骨を前に引っ張っている状態になります。 これは言い換えれば、肩甲骨が正しい位置にいられなくなっている状態という事です。 そうすると、様々な問題が発生します。 ・腕を動かす際に本来の動きと逸脱した動きをせざるを得なくなる ・逸脱した動きが強要されるので、偏った筋が働く状態で生活を送る事になる ・肩甲骨の動きは歩行動作にも関係するので、歩き方にも歪みが生じてくる ・横隔膜を使った正しい呼吸機能がしづらくなる ・結果、腰部の安定性がさらに損なわれ、より肩甲骨の位置が不安定になる 上記のような問題が発生するとさらに巻き肩姿勢が助長されてしまいますので、まずは正しい筋連鎖を働かせて、その動きを再学習していく「体幹の安定も兼ねた機能改善訓練」が必要となります。 2.腰の位置を安定させる 肩甲骨の位置が不安定だと、体の深くにある筋肉(インナーユニット)が本来の働きをすることができなくなります。 そうすると何が起こるのかというと、その外側の筋肉(アウターマッスル)がインナーユニットの働きを補助しようと無理に働いてしまい、ガチガチに緊張してしまうのです。 本来使われる必要のないアウターマッスルがガチガチに使われる事で、 ・肋骨が外開き姿勢になる ・反り腰姿勢になる ・股関節に荷重が乗りにくい このような弊害が考えられ、その結果、巻き肩姿勢が強調されてしまうのです。 そうならないためにも、インナーユニットが働きやすい状態に骨組みを整える必要があります。 3.骨盤の位置を安定させる 様々な不調は「骨盤の歪み」が原因であることが多く見られますが、巻き肩も例にもれません。 骨盤は荷重を受け分散させる役割がありますが、正しい位置にい続けられないまま日常生活動作を送る事になると、逸脱した動きを正しい動きであるかのように、誤情報を覚えてしまう事になるケースがあります。 誤った動きを続けていれば、筋はもちろん、関節にも局所的なダメージを負わせる事になるので痛みの原因になることがあります。 そのため、骨盤の歪みを整えることは重要です。 巻き肩のない生活を続けるためには「正しい日常生活動作」が必要 さて、「巻き肩を根本から改善に導くために必要な3つの条件」は知識を持つ専門家の手助けが必要な場合がほとんどですが、その条件を満たし巻き肩が改善した後に必要なのは「巻き肩を再発させないぞ!」というあなたの意識です。 先にお伝えした肩甲骨・腰・骨盤の問題は、ほぼ「間違った日常生活動作」から生まれます。 どれだけ整った姿勢で各部位が正しい位置に安定できたとしても、日常生活動作を改善していなければ巻き肩は元に戻ってしまうでしょう。 立つ座る、歩行といった日常生活の基本動作において、機能的な動きを正しくできるようにする事、そしてその動きを覚え直していく事が巻き肩の根本改善のための解決の糸口となります。 さいごに いかがでしたでしょうか? 今回は、『巻き肩を改善に導くために必要な3つの条件』についてお話させていただきました。 さいごに簡単にまとめです。 ・肩こりは揉んでも改善しない ・肩こりでお悩みの方の多くは「巻き肩」 ・巻き肩を根本から改善に導くためには「肩甲骨・腰・骨盤の位置を安定させる」ことが必要 ・巻き肩を再発させないためには「日常動作から見直す」ことが大事 ぜひご参考にしてみてください。 筆者プロフィール 井上 拓也 姿勢矯正士 石川県唯一の姿勢矯正士の資格を所持する整体師 石川県白山市にて希少な姿勢矯正に特化した整体院を運営 国内で2店のみの米国スティックモビリティ社認定国際ライセンス所持者 県内テレビ番組、SNSインフルエンサーらにも多数紹介された実績あり 猫背、巻き肩、ストレートネック、反り腰、肋骨の広がりといった 不良姿勢の改善はもちろん慢性的な肩こり、腰痛、心理相談等も幅広くご相談を受け付け中 過去130㎏あった肥満体からボディビルダーになった異例の経歴も持つ
筆者プロフィール
井上 拓也
姿勢矯正士
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