「小児ばね指」と聞いて、驚くばかりか不安になる親御さんは多いでしょう。 ばね指には大人の腱鞘炎のイメージが強く、「まさか、うちの子がばね指になるとは!」と思うかも知れません。 ちなみに、親御さんがお子さんの小児ばね指に気付くタイミングは、指が曲がったまま伸びないことで心配して病院にかかる時が多いようです。 では、この小児ばね指とは、一体どのような症状なのでしょうか。 小児ばね指は乳幼児の頃から親指の第一関節が曲がったまま伸びないもの 小児ばね指に気付く年齢は人それぞれなのですが、実は小児ばね指は乳幼児の頃から起こっていることが多いようです。 具体的には、親指の第一関節が曲がったままになっていて、伸びない症状のことを言います。 あるいは、曲げた親指を伸ばす時に、引っかかりを感じることもあります。 そして、親指の付け根にはしこりがあって指を動かした時に触れることがありますが、痛みはほとんど感じないようです。 小児ばね指は腱のほつれによるもの、成人のばね指は炎症で腱鞘が膨らむもの 小児ばね指も成人の腱鞘炎のばね指も同じように「ばね指」と言う名前が付いていますが、症状の起こる仕組みは異なります。 成人のばね指では炎症によって腱鞘が膨らんで通路が狭くなることで、腱が腱鞘を通りにくくなります。 一方、小児ばね指では腱のほつれが酷くなることで、腱が腱鞘を通りにくくなります。 小児ばね指は2歳までに発症する子が多い! 小児ばね指は女児を中心に、0~6歳のお子さんに多く見られるようです。 そして、そのうちの80%近くが、2歳までに発症しているようです。 ですので、「小児ばね指は先天的なもの」と考えてしまいそうですが、実際にははっきりとした原因は分かりません。 生後発見されることも、何かの外傷を診察した時に発見されることもあります。 親御さんがお子さんの指が伸びないことを不審に感じて、病院で診察を受けた時に発見することがほとんどなのです。 小児ばね指は指を伸ばした状態で様子を見ているうちに、自然治癒できることが多い! 成人のばね指の場合は、酷いと手術を勧められることがあります。 ただ、小児ばね指に関しては、すぐに手術を行わなくても自然治癒することが多いようです。 「指を伸ばした状態で固定して様子を見る。」と言うのが、主な治療法です。 6歳を1つの目安にある程度成長するのを待って、それでも改善が見られなければ何らかの処置を取ることもあります。 まとめ 小児ばね指ははっきりとした原因が分からず、予防することは難しいものです。 しかし、成人のばね指とは違って、手術が必要になるケースはほとんどなく、指を伸ばした状態で固定して様子を見ているうちに自然治癒することが多いのが特徴です。 6歳までのお子さんに多い症状なので、お子さんがそれほど苦しんでいる様子でなければ、様子を見て治療を検討するのも良いでしょう。
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