ジャンパー膝を予防するには、太ももにある大腿四頭筋を柔軟にするストレッチが欠かせません。この筋肉をほぐしておくと、膝への衝撃がやわらぎ、ジャンパー膝を予防することができます。 その名の通りジャンパー膝とは、バレーボールやバスケットボールのように、ジャンプを頻繁に繰り返すスポーツ選手がよく患う疾病です。これは膝蓋靱帯炎ともよばれます。膝にある膝蓋靱帯が損傷し、炎症をおこす疾患だからです。 ジャンパー膝は、足をよく使うスポーツをする人によくみられます。若者だけでなく、スポーツ習慣のある中高年の方もこの疾患には注意しなければいけません。太ももの筋肉の衰えが始まる40代以降は、運動で膝により大きな負担をかけるようになるからです。 ジャンパー膝とはどんな疾患か ジャンパー膝をおこすと、たとえば着地時のように、膝に負荷が加わるときに強い痛みが生じるのがこの疾患の特徴です。 この痛みの原因は、膝蓋靱帯におきた炎症です。膝蓋靱帯は膝関節の真上にあり、太ももの大腿骨とすねの頚骨をつないでいます。スポーツなどで、膝に強い衝撃が何度も加わると、この靭帯が損傷すると考えられています。 ジャンパー膝をおこす原因 膝蓋靱帯を損傷しやすくなるのは、太ももにある大腿四頭筋が固くなっているときです。この筋肉に柔軟性がないと、膝関節に負担がかかりやすく、ジャンパー膝をおこしやすくなります。 大腿四頭筋が固くなる理由として、スポーツのやりすぎによる筋肉疲労や、老化による筋肉の衰えがあげられます。 ジャンパー膝のおもな症状 ジャンパー膝になると、膝付近に強い痛み、腫れ、熱感などが生じます。初期症状は、着地時や、膝に強い衝撃が加わったときに患部が痛むだけです。 しかし症状が悪化すると、安静にしていても痛みを感じるようになり、ふつうに歩くことすらむずかしくなります。放置して運動を続けていると、膝蓋靱帯が断裂することもあります。ジャンパー膝かと思ったら、激しい運動は中止して、すぐに安静にすることが大切です。 ジャンパー膝の診断には触診が有効です。膝の少し上または少し下を指で押すと、初期のころであっても患者は痛みを感じます。この疾病は靭帯の損傷なので、レントゲン撮影で骨の異常がみつかることはほとんどありません。 ジャンパー膝の予防のためのストレッチ ジャンパー膝をおこさないためには、大腿四頭筋のストレッチを行うことが大切です。この筋肉をいつも柔軟にしておくことで、膝や膝蓋靱帯への負担を減らすことができます。 ジャンパー膝から回復した人も、再発防止のためにこのストレッチを欠かさず行うようにしましょう。 床にうつ伏せになります。左手だけ前方に伸ばします。右足の膝を曲げます。右手で右足首をつかみ、右足のかかとをお尻に近づけるように引きます。このとき右足の太ももは床から離さないようにしてください。 右の太もも前面の筋肉が伸びていることを感じられたら成功です。このポーズを30秒キープします。右足を下ろし、次は左足で同じ動作をします。左右でワンセットです。就寝前や運動前に、7、8セット行うようにしましょう。
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