指が痛くなったり、思うように伸ばせなくなるのは腱鞘炎の症状です。 とくに手の指関節におきる腱鞘炎は、ばね指とよばれています。 手や足をよく使う人に腱鞘炎はよくみられる疾患です。足の腱鞘炎は、体重が急に増えた中年女性にもよくみられます。 腱鞘炎は患部を安静にしていれば治癒する疾患です。治癒まで患部の負担をできるだけ減らすには、手足の患部にサポーターなどを着用すると効果的です。 腱鞘炎とはどんな疾患なのか 手足の腱のまわりには、腱鞘というパイプのような組織があります。手足を動かすとき、腱は腱鞘のなかで伸びたり縮んだりすることで、その先の筋肉に動きを伝えます。腱鞘炎とは、この腱と腱鞘が炎症をおこす疾患のことです。 腱鞘炎は手や足の腱にみられます。もっとも多い症例は手の指におきる腱鞘炎ですが、手首や足首に腱鞘炎をおこす人もいます。足の腱鞘炎は、足首、膝、足の甲におきるのが一般的です。 腱鞘炎でよくみられるばね指とは? 腱鞘炎になると、患部の関節が動かしにくくなります。さらに患部に痛み、腫れ、熱感などが加わるのが一般的です。 腱鞘炎のなかに、ばね指とよばれる代表的な症状があります。 ばね指の原因は、指関節にある屈筋腱におきた炎症です。指を伸ばそうとしても、何かに引っかかったように指が途中で動かなくなります。この症状がばね指とよばれるのは、むりに伸ばそうとすると、指がばねが弾かれたような動きをするからです。 どんな人が腱鞘炎になりやすいのか 腱鞘炎をおこしやすいのは、手や足の関節に負担をかける生活をしている人です。 パソコンを毎日長時間使う人のなかには、手の指や手首の関節付近に腱鞘炎をおこすケースがよくみられます。 足の腱鞘炎をおこしやすいのは、陸上競技やサッカーをする人、バレエやダンスを習っている人、マラソン習慣のある人などです。またサイズの合わない靴を履くと、足に腱鞘炎をおこしやすくなります。 40代以上の女性は、若いころと比べると足に腱鞘炎をおこしやすいといわれます。更年期特有のホルモンバランスの乱れにより体重が増加し、足や膝の関節に大きな負担がかかるようになるからです。 腱鞘炎のおもな治療方法 腱鞘炎を治すには、なるべく動かさず安静にして過ごすことです。 患部に刺激を加えなければ、ふつうは2、3週間で症状は改善します。安静時でも強い痛みがでるときは、ロキソニンなどの鎮痛剤を服用したり、患部にステロイド注射をすることもあります。 ただ手や足は日常的によく使う部位です。まったく動かさないで過ごすことができない場合は、患部にサポーターやテーピングを施して患部への衝撃をやわらげるといいでしょう。
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