大腿四頭筋の痛みを放置していると、長い時間歩けなくなるほど太ももの痛みが強くなることがあります。 大腿四頭筋とは、太ももの前面にある大きな筋肉群のことです。この部分の痛みは、ハイヒールをよく履く人、立ち仕事の多い人、外反母趾など足の骨にゆがみのある人によくみられる症状です。 安静にしていれば痛みはおさまりますが、この疾患には再発しやすいという特徴もあります。再発を防ぎ快適な日常生活を守るには、普段の習慣を見直して、太ももの筋肉をつねにやわらかくする工夫をすることが大切です。 大腿四頭筋はどんな筋肉なのか 大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋という4つの筋肉のことを、まとめて大腿四頭筋とよんでいます。筋肉群は太ももの付け根から膝の関節の手前にまで広がっていて、膝を伸ばす動きをするときに使われる筋肉群です。 これらの筋肉は、歩くときに足を前にだすときにも使われます。大腿四頭筋が弱ったり炎症を起こしたりすると、膝が不安定になったり、足の踏み出しが難しくなったりします。 大腿四頭筋炎とはどんな症状? 大腿四頭筋炎とは、太ももの付け根や膝の2、3センチメートル手前あたりに痛みや腫れを生じる疾患です。 からだを動かしているときや、長時間立ったままのときに、こうした痛みがあらわれます。椅子に座ったりして太ももをしばらく安静にしていると、痛みが軽減するという特徴もあります。 大腿四頭筋炎をおこしやすい人 大腿四頭筋炎の原因のひとつは、加齢による太ももの筋肉の衰えだと考えられます。 弱っていた筋肉に過剰な負荷がかかることで、若いころよりも炎症をおこしやすくなるからです。 しかしこの疾病の原因は年齢だけではありません。生活のなかで太ももに過剰な負担をかけている人は、年齢を問わず大腿四頭筋炎を発症することがあります。 注意したいのは、バランスの悪い姿勢で長時間の立ち仕事をしている人です。 ハイヒールを履いての立ち仕事をする女性は、大腿四頭筋炎に注意しましょう。 外反母趾、偏平足、ハイアーチなど、足の骨に疾患をもっている人は、大腿四頭筋炎をさらにおこしやすくなります。 バレーボールなど、ジャンプを多く使うスポーツ習慣のある人も、この疾患をおこしやすいことが知られています。 大腿四頭筋に痛みがあるときの対処法 太ももに痛みを感じるのは、大腿四頭筋の一部が炎症や損傷をおこしているからです。足をしばらくの間休めて太ももに冷湿布をすれば、炎症は鎮まり、痛みも次第にひいていきます。 しかし元の生活にもどれば、大腿四頭筋炎はいずれまた再発するでしょう。日常の習慣や足の骨のゆがみがこの疾病の原因だからです。 立ち時間を減らす、ハイヒールを履かない、自分の足に合わせたインソールを靴のなかに入れるなどの工夫をすれば、太ももへの負担を軽減することは可能です。合わせて大腿四頭筋のストレッチを行うことで、筋肉が柔軟になり、太ももの痛みの再発リスクを減らすことができます。
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