腰痛の原因はさまざまですが、その中には女性だけにみられるものもたくさんあります。 女性と男性の体は同じではありません。女性特有の体の構造、ライフサイクル、生活習慣のなかに、腰痛を引き起こす原因がたくさんあります。女性である以上、決して取り除くことのできない原因があるのも確かです。 しかし原因を正しく把握すれば対処することはできます。女性のからだと生活を理解して、腰痛と上手に付き合っていきましょう。 もともと冷えやすい女性のからだ 女性がよく訴えるからだの悩みの中に、腰の冷えがあります。 冷えとは、血液の流れが滞り、筋肉が硬くなることです。硬くなった筋肉には疲労がたまり、痛みやしびれをおこします。 女性の腰が冷えやすいのは、月経周期があるためです。 月経が起こる前に分泌される黄体ホルモンは体温を上げる作用がありますが、月経がはじまるとこのホルモンの分泌がなくなるため、体温が下がって体が冷え結構が悪くなります。 自分の月経周期を把握すれば、冷えによる腰痛は大きく改善できます。筋肉への血流が悪化する黄体期と月経期に、腰を温める服装を心掛けることがポイントです。 更年期でおこる女性特有の変化 40代半ばから、女性は更年期を迎えます。この時期にはホルモンバランスが大きく崩れます。こうした更年期特有の現象が、多くの中年期の女性にとっての腰痛の原因です エストロゲンの減少による影響は深刻です。このホルモンは骨形成を促すはたらきがありからです。このホルモンが減ることで骨密度が減り、腰の骨が弱くなったり痛みがでたりします。 またホルモンの乱れによる体重増加も腰痛の原因です。急に太ったことで腰に負担がかかり、腰の鈍痛や下半身のしびれをおこすことがあります。 婦人病がひきおこす腰痛 子宮に疾患があると、腰痛がおきることがあります。子宮の病気は、大抵の場合多くの出血を伴います。子宮からの出血が増えることで、すぐ横にある腰の筋肉の血流が悪化し、痛みが生じると考えられます。 腰痛の症状がでる主な婦人科系疾患は、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮がん、子宮頚管炎などです。 いずれも初期のころは症状がなく、病気がある程度進行すると腰痛などがみられるようになります。いつもの腰痛だと軽く考えず、婦人科を受診するようにしましょう。とくに子宮体がんの増える40代以降には、定期的な検診が必要です。 腰に負担をかけやすい女性の生活 女性によくみられる生活習慣のなかには、腰痛をひきおこす原因がたくさんあります。 かかとの高い不安定な靴は、腰に大きな負担をかける大きな原因です。ハイヒールを履くと体が前のめりになるため、バランスを取ろうとして腰を後方に反らせるからです。 無理なダイエットも腰痛の原因になります。更年期に太ってしまった女性が減量をする場合には、ダイエットの方法に十分に注意しなければいけません。 極端な食事制限をして痩せようとすると、脂肪よりもさきに、筋肉量と骨密度が下がります。運動習慣のない人がいきなり体を動かすことで、かえって腰の筋肉を傷めることもあります。ハードな腹筋運動や腰に衝撃のかかるエアロビクスなどは避けましょう。
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