鍼灸の施術を受けた後、はからだが快方へ向かうときに、好転反応とよばれる症状がみられることがあります。 好転反応は治療がよく効いているサインです。数日で症状は消えますが、病状や体質によっては好転反応が長引く人もいます。 安心して鍼灸を受けるためにも、好転反応の主な症状、好転反応がでているときの過ごし方などを覚えておきましょう。 鍼灸の好転反応とはどんなものか 好転反応とは中国医術の中にみられる考え方です。 施術を行うと、からだの血流が急によくなり、新陳代謝も回復します。こうした急な変化にからだがついて行かず、さまざまな不快症状となってあらわれるのが好転反応です。 鍼灸でよくみられる好転反応には、からだのだるさ、発熱、頭痛、眠気、かゆみ、吐き気などがあります。 女性の中には、不正出血をする方もいたり、また下痢をしたり、目やにやふけが一時的に増えることもあるようです。 固まっていた筋肉を鍼灸で急にゆるめたときには、痛み、しびれ、腫れがあらわれることもあります。 好転反応は一時的なもので、組織の回復にからだが馴染むころには消えていきます。好転反応がみられるのは、施術後大体2、3日といわれています。 好転反応がでやすい人とは? 好転反応は必ず起きるわけではありません。鍼灸に慣れていない人や病状の重い人には、好転反応がでやすいと考えられています。 具体的には、鍼灸の施術をはじめて受ける人、長い間治療を中断したあとに鍼灸を再開した人、筋肉がとても固い人、慢性疾患の人、痛み止めなどで症状を長い間抑えてきた人などは好転反応があらわれやすい人です。 好転反応がでているときの過ごし方 好転反応がみられたら、できるだけ安静に過ごすようにしましょう。 激しい運動をしないのなら、ごく普通に生活を続けることもできます。 軽いストレッチをすれば、好転反応が早めに消えることもあります。血行が改善することで、からだの機能回復が促進されるからです。 好転反応がでている間は、飲酒や鎮痛剤の服用は避けましょう。アルコールは内臓に負担をかけるため、飲酒をすると組織の回復が遅くなります。 また鎮痛剤を服用すると、神経の自然な働きが妨げられ、好転反応が長引くことになります。 不快症状がいつまでもおさまらないとき 一般的な好転反応であれば、数日で不快症状はおさまります。 辛い症状がいつまでも続き不安を感じるときは、施術を受けた鍼灸院へ連絡をしましょう。 症状を詳しく話して、治療について鍼灸師と改めて相談する必要があります。 症状を何年も我慢してきた慢性疾患の方の場合、好転反応がほかの方よりも長く続くこともあります。 組織を正常に戻すために、ふつうよりも長い時間がかかるからです。 時間はかかりますが、この場合の好転反応もやがては自然に消えていくでしょう。
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