足の裏の「たこ」でお悩みの方、おられませんか。 Mさんもそんな患者の一人で、歩くときの痛みを訴えて受診されました。 皮膚の厚くなった部分を軟らかくする薬を使ったり、削ったりしても、また元に戻るだけの繰り返しだったとか。 座ったまま靴紐を締めるとたこの原因に たこと靴の履き方には深い関連があります。靴ひもには、靴と足をしっかりと固定化するテーピングの役割があるからです。 Mさんはひも靴で、履き方を見ると、いつもどっかと腰を下ろした状態で靴ひもを締めていました。 足の甲の高さは、座ったときには高く、立った状態では体重がかかるので低くなります。 だから、靴を買って最初にひもを通すときや、靴を履く際に結び直すときも、座ったままひもを締めると、締めたつもりでも、歩いたときにはひもが緩くなるわけです。 そうなると、靴の中で足が滑って足が摩擦し、たこができやすい状態に。 滑る足を踏ん張ろうとして指もぐっと曲がり、屈(かが)み指(ハンマー指)にもつながります。 靴ひもを中腰で締め、靴べらを使うことでタコをなくしたケース Mさんには、靴ひもを通すとき、片膝を立て、なおかつ中腰で足に体重をかけた状態で締めるよう指導しました。 靴も見ました。足を真っすぐ固定し、骨を支える靴のかかとがつぶれていたので、靴を履くとき、靴べらを使うように言いました。 靴べらの利点はまず、靴が履きやすくなり、かかとが壊れないこと。そして靴が長持ちすることです。 どんなにいい靴を買っても、靴べらを使わなければかかとは次第につぶれ、寿命は持ってまあ半年。 でも、靴べらを使ってかかとを守れば、2年は大丈夫。 5千円の靴を半年サイクルで履きつぶすのと、2万円のしっかりした靴を2年サイクルで履くこと。 一時的な出費は同じですが、体に良いのは明らかに後者の方でしょう。 Mさんは足ゆびのケアをしながら正しい靴の履き方を習慣化したおかげで、その後二度とタコができることはありませんでした。 足指を矯正するには専用のソックスや体操を ただし、足ゆびが変形したままではなかなか改善が難しくなりますから、足指を矯正する靴下型の装具として「ゆびのばソックス」は最適です。 3歳~履ける園児用ソックスもあります。 また、足ゆびの「パーができない」のも問題です。1日1回5分を目安に「ひろのば体操」も併せて行ってみましょう。 足指が開くようになると足裏全体で体重を支えることができ、タコも少しずつ小さくなっていくと思います。 ゆびのばソックス通信販売サイト「ゆびのば.COM」 一生元気でいたければ足指を広げなさい 著者名:湯浅慶朗 出版社:あさ出版 著者プロフィール: 湯浅慶朗(ゆあさよしろう) 理学療法士 みらいクリニック付属フットケアセンター長 西日本新聞で22回連載 NHK放送 「サキどり」に2回出演 フットケアセンターでの足腰の悩みに取り組む他、専門家向けの講演で全国のみならず、海外でも講演会を行い、世界各地を飛び回わる傍ら、独自ブランドの足指を矯正する靴下ゆびのばソックスの開発や研究も行い、活動は多岐にわたる。 Anan、日経ヘルス、クロワッサンなど多くの雑誌にも掲載。 あさ出版「一生元気でいたければ足指を伸ばしなさい」など著書多数。
著者プロフィール:
湯浅慶朗(ゆあさよしろう)
理学療法士
みらいクリニック付属フットケアセンター長
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