東洋医学のすすめ~西洋医学ではなく東洋医学を選択するメリット~
こんにちは!馬込沢うえだ鍼灸院 院長の上田喜一郎です。 医学には『東洋医学』と『西洋医学』の2つがあることをご存知でしょうか? 「聞いたことがあるけど、ちがいは詳しく分からない」 そんな方が大多数だと思います。 西洋医学とは、分かりやすく言ってしまえば「病院で受けられる治療」です。 薬や手術など科学的方法を用いた医学であり、ほとんどの人が活用したことがあるか思います。 では、東洋医学はどうでしょうか? 東洋医学で有名なものと言えば「鍼灸」や「漢方」です。 気の巡りを整えることで健康へ導く医学ですが、 「気の巡りって何?それで本当に良くなるの?」 と、何となく疑いの目を向けている方が多いのではないでしょうか? ご安心ください! 東洋医学も西洋医学と同じく、立派な「体調をよくするための選択肢の1つ」です。 そこで今回は、 ・どうして現代の医学は西洋医学が中心なの? ・「気の巡り」ってなに? ・東洋医学の主な療法 ・西洋医学ではなく東洋医学を選択するメリット についてお話させていただきます。 ぜひご参考にしてみてくださいね。 どうして現代の医学は西洋医学が中心なの? 実は、以前の日本での代表的な医学は「漢方医学」という東洋医学でした。 漢方医学は中国から伝来してきたものですが、室町時代頃から日本独自の進化をしています。 ではいつまで東洋医学が中心だったのか。 それは「明治維新」です。 西洋医学が中心になったきっかけは、旧幕府軍対新政府軍の戦争。 緊急的なケガや、衛生環境の不備によって生じる伝染病には今まで扱っていた東洋医学では対処ができませんでした。 西洋医学の強みは、救急医療。 手術や薬物療法が、当時の時代に合う医学だったのです。 「どうして現代の医学は西洋医学が中心なの」かと言いますと、「西洋医学が中心のまま、ただ時代も流れていったから」だと考えられます。 実は現代に合う医学は東洋医学 もちろん、西洋医学は優れています。 しかし、旧幕府軍対新政府軍の戦争で医学の選択が見直されたように、現代も今一度見直すときなのではないでしょうか? 日本は現在、戦争をしていません。 以前のように衛生環境の不備でお困りの方もほとんどいないと思います。 さらに、現代の日本で増加しているのが生活習慣病や精神疾患、原因が特定できない「不定愁訴」と呼ばれる症状です。 さきほど西洋医学の強みについてお話をしましたが、もちろん東洋医学にも強みはあります。 それは、「特に原因がはっきりしない症状に力を発揮する」という点です。 環境によって医学が変わるのであれば、今がその時ではないでしょうか? 実は、ヨーロッパやアメリカを中心に「高齢化による疾病や難病には鍼灸や漢方薬が有効的」との声も上がっており、世界的にみても東洋医学に大きな期待が寄せられています。 もちろん、西洋医学から東洋医学に完全移行しよう!ということではありません。 手術や薬物だけだった対処法の選択肢に、漢方や鍼灸が組み込まれる、私はそんな医学のあり方をおすすめしています。 「気の巡り」ってなに? さて、東洋医学と西洋医学の関係性についてお話してきました。 次は東洋医学の「気」についてご紹介します。 東洋医学で特に重要視している「気」ですが、これは生体すべてに流れている「生命エネルギー」です。 生命エネルギーは「精神や体の機能をコントロールするもの」であると考えられています。 気には両親から受け継ぐ「先天の気」と、生まれた後に飲食物や酸素によって得られる「後天の気」があり、先天の気は後天の気によって補充されるのですが、この「気」が体内を淀みなく「巡れば健康」「滞れば病気」となるのです。 気の滞り(病因)には以下のものがあります。 ・内因:過度の感情のことで、基本的なものに「怒・喜・思・憂・悲・恐・驚」がある。七情ともいう。 ・外因:気候や温度、湿度などのこと。「風、寒、暑、湿、燥、火」があり、六邪、六淫ともいう。 ・不内外因:飲食の不摂生、労捲(過労)、房事、外傷など。 病気にならないために注意すべき6つのポイント では、気を滞らないようにするためにはどうすれば良いでしょうか? 注意する点は以下の6つです。 1.心を穏かにする 2.極端な寒暖を避ける 3.体に悪い物は食べないようにする 4.疲れすぎないように適度に休息する 5.房事過多は避ける 6.外傷に気をつける ただ、気を付けていてもどうしても避けられない病気(遺伝的なもの)はあります。 その場合も、この6つを心がけるようにしましょう。 中医学の四大療法 『病気にならないために注意すべき6つのポイント』をご紹介しましたが、 「いくら気をつけたって、仕事柄疲れすぎないようにするのは無理!」 「体に悪い物ってどこからどこまでが悪い物なの…?」 「育児中は心を穏かにするのはむずかしい…」 とお思いになった方も多いはず。 そんな、“気を付けていてもどうしても避けられないもの” の対処法として東洋医学がおすすめです。 東洋医学の四大療法と呼ばれるものに、「鍼灸」「生薬(漢方薬)」「按摩(推拿)」「気功(導引)」があります。 鍼灸 症状に適したツボに細い鍼(はり)を刺したり、もぐさ(ヨモギで作られたお灸)を置いて燃焼させる施術です。 ツボを刺激することで、体に備わっている自然治癒力を高め、症状の早期改善を促します。 生薬(漢方薬) 自然界にある植物や動物、鉱物などから得られる薬効となる部分を生薬と呼び、これらを2つ以上組み合わせて作られたものが「漢方薬」です。 実は、病院で処方されることもあります。 症状によって組み合わせる生薬は異なり、「薬」よりも副作用が出にくいのが特徴です。 あん摩(推拿) 患部に「押す・もむ・さする・なでる・たたく」などの手技を施すことにより症状を改善に導く施術法です。 こわばった筋肉をほぐし血行を促すのが目的で、特に体の変調(疲労・肩こり・腰痛・頭痛・めまい・不眠・神経過敏・食欲不振・便秘など)に力を発揮します。 気功(導引) 呼吸を整え心を穏かにすることで「気」の巡りを改善に導く方法です。 気功には自分で行う内気功と、人にやってもらう外気功があります。 内気功とは体操や瞑想などで、1人でできるかつお金も掛からないため鍼灸・生薬・按摩に比べるとお手軽です。 あまり形式にこだわらず、 1.呼吸はゆっくり・長く・深く行う 2.動作は穏やかに滑らかに行う 3.気持ちを体の特定の部分や、物事に集中させようとしない を意識し、気持ちよく体を動かすだけでも「気功」として成立します。 さいごに さて、いかがでしたでしょうか? 今回は「東洋医学」についてお話させていただきました。 以下は簡単なまとめです。 ・日本は以前は「東洋医学」が中心だったが、旧幕府軍対新政府軍の戦争を機に「西洋医学」が中心になった ・東洋医学でよく言われる「気」とは、精神や体の機能をコントロールするもの(生命エネルギー) ・東洋医学は、特に原因がはっきりしない症状(不定愁訴)に力を発揮するため、不定愁訴でお悩みの方が多い現代人には東洋医学がおすすめ ・東洋医学の四大療法は、西洋医学に比べて「副作用の心配が格段に少ない」のがメリット ストレスの多い日々の生活の中、気をつけていても病気になってしまう現実があります。 薬を飲まなければならないこともあるでしょう。 しかし、長期に渡る服薬は副作用(副反応)というリスクをともないます。 先に紹介した東洋医学の四大療法は、副作用の心配が西洋医学に比べると格段に少ないものです。 体調をよくするための1の選択肢としてお考えいただければと思います。 筆者プロフィール 上田 喜一郎 馬込沢うえだ鍼灸院 院長 馬込沢うえだ鍼灸院の上田と申します。 医療機関や運動施設など、治療や健康管理といった仕事に携わるようになって30数年が経ちます。 現在は、鍼灸や徒手療法、光線療法をメインとした治療院を開業しております。 ストレス社会といわれる昨今、民間療法に寄せられる期待は年々増加していると感じています。 正しい情報を発信することが病気や体調不良で悩む方の一助となり、増え続ける医療費の削減につながることと思います。 神奈川衛生学園東洋医療総合学科卒業 整形外科リハビリテーション室勤務 中医専門鍼灸院にて研修 スキースクールにてスキー指導 フィットネスクラブ・老人施設等にて運動指導 日本良導絡自律神経学会会員 日本不妊カウンセリング学会会員 日本動物愛護協会会員 光線療法上級過程講座終了
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