こんにちは、太古の今西です。 今回はコラムの第10弾になります。 第10弾では、みなさんが施術に興味を持って楽しめるように、プロの施術テクニックの一部をご紹介します。 はじめに みなさんは、治療院やサロンで施術を受けている時、セラピスト(施術者)が指、手、腕、肘などをどのように使っているかご存知ですか? すぐ寝てしまう方もいるかとは思いますが、起きていても、通常はセラピストの手元が視界に入らないので、どのように施術しているかはわかりません。 私の場合、特に初めてのお客様には、お困りの症状がどのような状態になっているかを説明し、それを改善するために、具体的にどのような施術をしているかを説明することがあります。 そうすることで、安心して施術を受けていただけますし、信頼感が芽生えます。 ご自身の身体のことなので、皆さん真剣に聴き入っています。 それをきっかけに、心も打ちとけ、いろいろと質問する方もいらっしゃいます。 みなさんも施術中にセラピストに、施術の内容について、ざっくばらんに聞いてみてはいかがでしょうか? 拇指のテクニック さて、今回は、私が行っている整体、タイ古式マッサージ,アロマトリートメントの施術テクニックの中から、『拇指(親指)』の使い方の一部をご紹介します。 もちろんプロによって、また施術の種類によって、いろいろな考え方やテクニックがあります。 ここで紹介する内容は、あくまで私のケースということでご理解ください。 整体や、タイ古式マッサージのスクールでは、最初に拇指(親指)の施術技術を学ぶと思います。 拇指は施術の中でも圧倒的に使う頻度が高いので、施術における基本中の基本と言えます。 基本だからと言って簡単というわけではありません。 簡単そうで、実は奥が深いのが拇指の施術です。 拇指の使い方でプロの技術レベルがわかるといっても過言ではありません。 拇指のテクニックの重要な要素から3つ、写真やイラストを使って分かり易く 説明していきます。 ①角度 拇指を身体に当てる時の角度です。まずは写真をご覧ください。 左が指を立てた場合、右が寝かせた場合です。 次は、筋肉やコリがどのようにほぐれるかのイメージ図です。 右側の拇指を寝かす方法は、実はタイ古式マッサージの方法です。 拇指の腹が触れる面積を大きくすることで、当たりの柔らかい気持ちのいい圧が得られます。 弱い圧ということではありません。 タイ古式マッサージは気持ちいいとよく言われますが、その秘密の一つがこの拇指の使い方なのです。 指を立てて、強く押せば深いところにあるこりに到達して、こりがほぐれやすいのでは? と勘違いしている人がいます。 そこが盲点であり、痛い施術の原因の一つでもあります。 実は、親指を右のように寝かした方が広い範囲でほぐれるため、無理なく深いところにあるコリに到達します。 結果的に痛くない気持ちのいい圧でほぐれるのです。 拇指を立てすぎると、たとえコリに到達したとしても、棒でつつかれたような感じのただ痛いだけの、無意味な施術になってしまいます。 私は、整体も、タイ古式マッサージも、アロマトリートメントも、拇指の角度は右側のタイ古式マッサージ方式を基本としています。 コリや筋肉の状態を瞬時に見極め、寝かせたり、少し立て気味にしたり、微調整します。 プロに技術指導する時には、この指の角度の違いで、受けた時の感触の違いと、ほぐれ方の違いを体感してもらっています。 ②片指、両指 片方の拇指だけでなく、同時に両方の拇指を使う方法があります。 『並び拇指』と『重ね拇指』です。 並び拇指は、左右の拇指を横に並べてセットして圧をかける方法です。 片指に比べて倍の面積を得られるので、効率よく広い面積に圧をかける場合に使います。 重ね拇指は、左右の拇指を重ねて、ピンポイントで、より強い圧をかける場合に使います。 重ね拇指はかなり有効なテクニックです。 私の場合は、特に足裏、横向きでの背中、うつ伏せでの肩周りのほぐし等で活用しています。 重ね拇指はその他にもメリットがあります。 実は片指だけの施術に比べて、指の付け根の関節にかかる負荷が分散するので、指が痛くならないのです。 強い圧も得られるし、指も痛くならないので、もっと重ね拇指が認知されてもいいのではと思っています。 ③点圧と揉捏(じゅうねつ) 例えば背中の筋肉やコリのほぐしをイメージしてご説明します。 点圧は拇指をセットして、面に垂直な方向に圧を加えていく方法です。 片指でも、先ほど述べた並び拇指、重ね拇指で点圧をかけることができます。 一方『揉捏(じゅうねつ)』は点圧で圧を加え、引き続き図のような方向に拇指で筋肉をこねるようにして少し広い範囲をほぐす方法です。 揉捏も片指、並び拇指、重ね拇指で行うことができます。 スクールでは揉捏を教えるところがあまりないようですが、揉捏はかなり有効な方法です。 私はプロが身につけるべき必須のテクニックだと思っています。 アルントシュルツの法則 以上、拇指の使い方についていくつか説明しましたが、施術の基本となる考え方を示した法則があります。 人の名前の付いた法則で『アルントシュルツの法則』といいます。 この法則に従って適度な圧で施術を行えば、ただ痛いだけの施術にならず、じわっ~とした効果的な質の高い施術が実現できます。 さいごに 今回のコラムはいかがでしたか? さっそく、施術を受けるのが楽しみになってきたでしょう? いろいろな施術テクニックについて、機会があれば、またご紹介したいと思います。 著者:今西 昌平 Kindle 筆者プロフィール 今西 昌平 太古 代表 外資系企業のマネジメントを経験し、早期退職。 充電期間中に受けた人生初のタイ古式マッサージに魅了され スクールに通い、タイ古式マッサージと整体を履修。 当初趣味のつもりが、そのうち天職と考えるようになり、 プロを目指すことに。 現在、京王線つつじヶ丘駅徒歩3分のところで個人サロンを運営。 メニューは、タイ古式マッサージ、アロマリンパケア、整体の3療術。 オリジナルで考案した『太古スペシャル』は痛くなく、深層のこりを ほぐすアプローチで、特に首肩こりでお悩みの方に好評。 また、3療術の要素をコラボした施術が独特で人気。
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筆者プロフィール
今西 昌平
太古 代表
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