こんにちは、札幌スポーツ&ケア治療室の清水真です。 日本で働く方の2割以上がデスクワーカーです。 デスクワークのほとんどがパソコンによる入力作業で、勤務時間のほとんどが腕や指を使う作業になります。 私の院にも、腱鞘炎・バネ指・手根管症候群などでお悩みの方が多くご来院されます。 こうした症状は、長時間働き続けたことによる『筋肉・関節の蓄積された疲労』が原因なため、なかなか施術だけですぐには良くはなりません。 一番の良薬は「仕事量を減らすこと」「業務内容を変えて、手や腕を休めること」ですが、なかなかそうした決断をするのは難しいですよね。 そこで今回は、ご家庭にある『あるもの』を使ってできる、バネ指・腱鞘炎・手根管症候群のセルフケア方法をお伝えいたします。 そもそもどうして痛みが出るの? セルフケア方法をご紹介する前に、どうして痛みが起こるのかを説明いたします。 まず、姿勢や日常動作によって筋肉・関節・内臓・組織を覆っている「筋膜」が歪みます。 その結果、筋膜と組織が癒着を起こしてしまい、痛み・しびれ・可動域の低下につながるのです。 日本の大学でも研究が行われており、肩こりや慢性痛の原因も筋膜癒着が関係していると判明しました。 では、そんな筋膜癒着をどうすれば改善に導くことができるのでしょうか? それは、医療用ステンレスを使用した『筋膜リリース』です。 歪んだ筋膜を整えるために、器具を使って癒着している部分を伸ばし、身体の機能を回復させ健康な身体を取り戻します。 当院でも医療用ステンレスを使用して、肩こり・腰痛・ひざ痛にお悩みの多くの方を改善に導いてきました。 もちろん、腱鞘炎・バネ指・手根管症候群も筋膜リリースを行うことで「指が楽に動かせる」「痛みが消失した」「手のこわばりがうすくなった」など喜びの声を頂いております。 しかし、仕事をしている方は常にその部分に負担がかかってしまうので、またすぐに症状が再発してしまいます。 そんな時に行ってほしいのがセルフケアです。 セルフケアでも、医療用ステンレスのような器具を使用しながら行ってほしいのですが、もちろん、 「医療用ステンレスなんて用意できない!」 という方がほとんどかと思います。 そこで、今回は医療用ステンレスの代わりに「あるモノ」を使ってできるセルフケアをご紹介します。 バターナイフでできる簡単セルフケア 医療用ステンレスの代わりに使用するのは、ずばり「バターナイフ」です。 バターナイフの素材も、医療用ステンレスと同じように「ステンレス」を使用しているため、硬さや圧力を筋膜へ均等に伝えることができ、『筋膜リリース』と同じようなケアを自宅でもできるようになります。 バターナイフによるセルフケア方法 ・バターナイフをきちんと立てて、皮膚にしっかり密着させる ・最初はゆっくり確実にこすり、徐々にスピードを上げる ・慣れてきたら関節、筋肉を運動させながら行う ・必ずクリーム、ジェルなどを使用する(ワセリン、馬油、ココナッツオイルなど) 《注意点》 ・強くやる必要はありません ・悪い部分などは赤くなる場合があります(組織再生が早くなります) ・痛みのある部分に炎症がある場合は、氷で冷やしましょう ・1回に20~30回さするのを、1日2~3回行います ・ガン、リウマチ、やけど痕、妊婦、静脈瘤、腎臓障害、抗凝血薬を飲んでいる方は控えてください ・万が一痛みが強くなった場合は、速やかに中止し専門医などにご相談ください クリームやオイルを使って滑りをよくしてから20〜30回さすってあげるだけで、痛みや動きの改善につながりますよ。 強い力を必要としないので、どなたでも簡単に行えます。 さいごに 痛い部分をさすってあげると、不思議と痛みがなくなる。そんな経験はありませんか? そうしたメカニズムを大学や医師も認めています。 ぜひ、悩んでいる方は今回ご紹介したセルフケアをお試しください。 たった3分で弱ったカラダが復活する 真呼吸ストレッチ 著者:清水真 出版社:神宮館 筆者プロフィール 清水真 一般社団法人姿勢道普及協会理事長 一手技塾札幌代表 日本メンターコーチング協会コーチ 日本スポーツクラブ協会マスターインストラクター 整体師として延べ13万以上を施術。プロスポーツ選手(水泳五輪選手・プロ野球・プロサッカー・スノーボード女子選手等)の指導トレーナーとしても活躍。その経験から「姿勢を良くする健康体操」をテーマに著書を出版(4冊)。現在は企業講師・行政自治体講師・学校講師など全国で開催中。その傍らで、プロの治療家向けの手技塾。ブランディング講座。コンサル。マナー教育指導。ホスピタリティーコーチングなど業界の後進育成にも力を注いでいる。
筆者プロフィール
清水真
一般社団法人姿勢道普及協会理事長
一手技塾札幌代表
日本メンターコーチング協会コーチ
日本スポーツクラブ協会マスターインストラクター
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