前回(連載第1回目のコラムは>>こちら)お話ししたように、妻のO脚改善に気をよくした私は、人の足元ばかり見るようになりました。 そんな折、関節リウマチと診断され、膝の痛みを訴える女性が来院されました。 投薬治療を施されていましたが、痛みはいっこうに治まらず、不安でたまらないご様子。足元を見ると小指が地面に着いておらず、わずかに浮いていました。 いわゆる「浮き指」です。 フットプリント(足型)を取ると、その濃淡から、足指が接地しておらず、かかとに重心が移っていることが分かりました。 なぜ、浮き指はよくないのでしょうか。 浮き指は不自然な力が入り骨格のゆがみの原因になる 逆立ちするとき、ぎゅっと床をつかむように手の指を曲げたり、浮かせる人はいません。指はピンと伸びたままです。 一本でも曲げると途端にバランスを失い、逆立ちができなくなります。 一方、足には強大な筋肉が付いているので、足指を曲げても立つことはできます。それでも足元が不安定な状態で歩くと、足はもちろん、腰から上の筋肉も余分な力を使ってバランスを取ろうとします。 そこにかかる不自然な力が膝痛や腰痛、骨格のゆがみにつながるわけです。 浮き指を解消して膝痛が消えた! この方には、自宅でできる足指の機能訓練を指導しました。すると2週間後の再診時、膝痛はうそのように消えていました。浮いていた小指も地面に接地しています。 きちんと歩けるようになったこの方の安堵(あんど)の表情に私も救われました。 浮き指は自分でもチェックできる 女性のみならず男性にも多く見られる浮き指は、足に合わない靴や歩き方の問題で起こります。 家庭でチェックするときは、はだしで立った状態で、小指を横から見て、浮いているかどうかで判断してください。 浮き指とは足指が地面から離れている状態、もしくは足指の圧が小さい状態のことをいいます。また、外反母趾や内反小指によって2~3指が左右から押されて浮くこともあります。 真正面から親指を見て、爪が見えない状態、もしくは他の爪の向きと違って上にそり上がっている状態であれば親指の浮き指です。靴下の上の部分が破けやすいことも特徴です。 深爪をする方に多く見られます。また、紙を小指の下に入れてスカスカ入るようであれば浮き指です。小指の爪が変色していたり、爪が小さくなっていることが多いです。 次回は足指の変形について さて、足指の変形は浮き指だけではありません。次回(連載第3回目のコラムは>>こちら)は、その他の足指の変形について説明しますね。 一生元気でいたければ足指を広げなさい 著者名:湯浅慶朗 出版社:あさ出版 著者プロフィール: 湯浅慶朗(ゆあさよしろう) 理学療法士 みらいクリニック付属フットケアセンター長 西日本新聞で22回連載 NHK放送 「サキどり」に2回出演 フットケアセンターでの足腰の悩みに取り組む他、専門家向けの講演で全国のみならず、海外でも講演会を行い、世界各地を飛び回わる傍ら、独自ブランドの足指を矯正する靴下ゆびのばソックスの開発や研究も行い、活動は多岐にわたる。 Anan、日経ヘルス、クロワッサンなど多くの雑誌にも掲載。 あさ出版「一生元気でいたければ足指を伸ばしなさい」など著書多数。
著者プロフィール:
湯浅慶朗(ゆあさよしろう)
理学療法士
みらいクリニック付属フットケアセンター長
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします