捻挫にも後遺症がある!?症状の特徴とその治し方とは?
スポーツやダンスをしている人で、ねんざの経験がない人はいませんね?あまりにも身近なケガですが、ねんざに後遺症があるということは、あまり知られていません。 今回はこの捻挫の後遺症について詳しく説明をしていきたいと思います。 治った後に残る関節の固さが、後遺症 ねんざは、無理な動きによって関節の靭帯などが傷ついた状態です。安静を保っていれば、だいたい数週間で腫れが引き、動かせるようになります。この状態を、治ったというのが一般的。 しかし、実際はその後も、関節の動きにくさが残ることが少なくありません。これが、ねんざの後遺症です。患部の腫れと安静によって、関節周辺に繊維タンパク質が沈着し、組織が固くなったり、張り付いたり(癒着)してしまうのです。 ねんざ後遺症の影響は全身に及ぶ 後遺症があると、関節の動きは重くなり、動く範囲も狭くなります。 一般の方で多いのは、姿勢の崩れ。身体の土台である足の歪みは、体重のかかり方を変えてしまいます。足の内側と外側のバランスが崩れると、膝や股関節を痛める原因になります。足の前後でバランスが崩れると、猫背や腰痛の原因に。 スポーツをする人なら、動きの悪さはそのままパフォーマンスに直結します。走るにせよ、跳ぶにせよ、実力が出せません。 陸上選手に協力してもらい実験したことがあるのですが、足を調整しただけで走るのが速くなった選手が何人もいました。その選手たちはみんな、ねんざの経験があったのです。 バレエやダンスなどでは、つま先の伸びが悪くなり「かま足」になったりします。また、身体を支える足の歪みは、身体の軸を歪めて、姿勢の美しさに影響します。足関節が正しく動くことは重要です。 ねんざ後遺症を治すには? 痛みがないので、気づかないことが多いのも、ねんざ後遺症の特徴です。 後遺症を見つける一番かんたんな方法は、左右の足の動きを比べることです。イスに座って、両方の足先を同時に、曲げたり伸ばしたりしてみます。左右対称に動いていれば、ねんざ後遺症の可能性は少ないでしょう。逆に、左右で動く範囲が違うようなら、動きの狭い方に後遺症があります。 治療法の一つは、ストレッチです。ねんざ後遺症の多くは、関節靭帯が固くなっていることによるもの。左右の足を比べて、伸びない部分をゆっくり伸ばします。 痛みが出るほどに力をかけないでください。強く伸ばしすぎて炎症をおこすと、かえって悪化することもあります。 まとめ いかがでしたでしょうか。 今回は、捻挫の後遺症、そしてその治し方についてご紹介してきました。 ストレッチをご紹介しましたが、それでも動きが戻らない場合は、靭帯や関節周辺の組織が癒着していることが考えられます。関節の癒着を治療できる治療院に相談するようにしてくださいね。 筆者プロフィール 池浦 誠 八起堂治療院長院鍼灸師・マッサージ師 臨床経験の中で、関節で生じた癒着(貼り付き)が、不調の原因となっていることに気づき、2005年に「TAM手技療法」を考案。癒着による身体の歪みや固さをとり、自然な動きを取り戻す治療を行っている。 田舎町の個人治療院ながら、他府県からの来院者も多い。
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