太古の今西です。 今回第11弾は、第2弾に引き続き、タイ古式マッサージの魅力を取り上げます。 2019年12月12日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)が、タイ古式マッサージを無形文化遺産に登録することを決定しました。 無形文化遺産の登録の対象は、世代を超えて継承すべき伝統や慣習などです。 この朗報に世界中のタイ古式マッサージ師が、喜び、誇りに思ったことでしょう。 実は、タイ古式マッサージは庶民の間で広く根付いたもの。 BBCの記事では、「かつてのタイの農民社会では、農業で筋肉痛になった村人が施術者にマッサージをしてもらっていた」ということが書かれていました。 世界が認めたタイ古式マッサージ。 単に施術を受けるだけではなく、その歴史的な背景、理論、効果などを知ると、より興味を持っていただけると思います。 タイ古式マッサージの歴史的背景 それではタイ古式マッサージとは、どのような施術なのでしょうか。 タイには「伝統医学」というものがあります。 それは薬草医学・栄養医学・精神的修行・手技療法を指し、このうちの手技療法がタイ古式マッサージです。 もみほぐしとストレッチを組み合わせた多彩なアプローチが特徴になります。 創始者はお釈迦様の主治医! タイ古式マッサージは、タイでは公的機関の管轄にあり、医療行為の一環としても活用されています。 また、国民の生活に密着した施術でもあるのです。 タイ古式マッサージは2500年前、仏教や文化とともにインドから伝えられたとされています。 創始者はインド人の『シーヴォック・ゴマラバート』と言われています。 なんとお釈迦様の主治医なんですよ。 私はスクールで、その主治医の名前を『シーヴォック・ゴマラバート』と学びましたが、この名前もさまざまな呼び方で紹介されています。 タイ古式マッサージを始める時には必ず「ワーイ」両手を重ねてお辞儀をします。 これは、創始者に向けて「今日はいい施術ができますように」といった祈りをささげているのです。 タイ古式マッサージ師としてのマナーです。 タイ古式マッサージは長い間タイ語で「ヌアボーラン」と呼ばれていました。 ヌアット(Nuad)が手で触れて施術するという意味。 ボーラン(Boran)が伝統的という意味。 従ってタイ古式マッサージは伝統的な手技療法ということです。 タイ古式マッサージは、現在ではタイの文部省・厚生省で『ヌアット・タイ』と呼ばれています。 日本語では「古式」を除いた『タイ式マッサージ』、英語では『Thai Massage』が正式名称です。 太古では、昔からのなじみのある「古式」を付けた『タイ古式マッサージ』を採用しています。 「古式」をつけたほうがなんとなく格式高いイメージがありますよね。 タイ古式マッサージの理論 タイ・インド・中国などの伝統医学の基本概念として『風』の存在があります。 身体の機能は『風』と呼ばれる不思議な力で働いており、風の状態が心身に影響を与えるのです。 多すぎても少なすぎても身体の機能に影響するため、適度な状態に保つ必要があります。 タイ古式マッサージは、その風の状態を正常に戻すための技術なのです。 また、タイ古式マッサージを習得するにあたり『セン』という概念も学びます。 センは実際には目に見えません。 しかし、そのセンが見えるものと想定してセンを意識しながら施術を行うのです。 体内にはエネルギーライン(エネルギー経路)があり、中国の経絡、すなわちツボに沿って施術するようなイメージになります。 スクールでも、脚や腕のセン1・セン2・セン3など、場所と施術方法を学びました。 センは、なんと72,000本あるといわれています。 「え!?そんなにあるの?覚えられないよ!」 タイ古式マッサージを本格的に学びたい方はそう思われることでしょう。 ご安心ください。通常覚えるのは重要とされる10本だけですからね。 タイ古式マッサージの効果、特徴 タイ古式マッサージには数多くの効果がありますが、ここでは代表的なものを4つご紹介します。 (1)老化防止 (2)歪み調整 (3)呼吸調整 (4)リラックス 各々説明を加えます。 老化防止が期待できる 私たちの身体は20歳ごろから柔軟性が悪くなっていきます。 関節の可動域が狭くなり、内臓の働きや運動機能も低下し、老化が進みます。 筋肉内に老廃物が溜まり、痛みやこりでお困りの方も多いと思います。 タイ古式マッサージでは筋肉のもみほぐしとストレッチを行うことで、「筋肉内に留まっている老廃物を排出する」「酸素や栄養素の循環を促進する」「筋肉の柔軟性を向上する」ことができます。 歪みが調整できる 普段の生活で、身体の姿勢を左右前後にバランスよく維持することは難しいですよね。 どうしてもどちらかに偏り、その結果、筋肉の緊張に差ができます。 身体が歪むと血管や神経が圧迫され、血行障害・神経痛・内臓機能の低下などをもたらします。 タイ古式マッサージでは、左右の筋肉を対称にほぐし、ストレッチにより各関節の歪みを調整することができます。 その結果、身体のバランスが整い、各種症状が改善に向かうのです。 呼吸が調整できる タイ古式マッサージは、ゆったりとした心地いいペースで行います。 そのため多くのお客様は眠気を覚え、そのうちに自然と「吐く息が中心の深い呼吸(釈迦の呼吸法)」になります。 釈迦の呼吸法とは、二酸化炭素がよく排出され、酸素を十分に取り入れることができる深い複式呼吸です。 さらに脳波がアルファ波中心の状態、いわば「瞑想状態」となります。 リラックスできる 皆さんはストレスの多い環境に身を置いていることが多いと思います。 私達の身体は「交感神経」と「副交感神経」の2つから成る「自律神経」によって支配されており、ストレスを感じると交感神経が優位になり、身体が緊張状態になります。 その結果、心拍数の増加・高血圧・呼吸の乱れなどが生じてしまうのです。 タイ古式マッサージで筋肉のこりをほぐすと、自律神経のバランスが良くなり、身体の不具合が改善に向かいます。 また、施術による心地いい刺激は、脳に伝わると副交感神経が優位になり、交感神経の興奮を鎮めてくれる働きが。 リラックスしたい方にはもってこいの施術なのです。 タイ古式が人気の秘密は4N! さいごに、タイ古式マッサージの特徴を現した『タイ古式の4N』というものをご紹介します。 これは私がスクールの授業で教わったものです。 ①Ning じっと動かない(安定、持続圧) ②Naknaen ずしりと重く(体重圧) ③Nimnuan 滑らかに(リズム) ④Nuangnia 途切れなく(リズム) プロのタイ古式マッサージ師は、これらの圧のかけ方とリズムが、修行で身についています。 お客様が安心して、リラックスして受けられるのはここにその秘密があるのです。 タイ古式の技術はすばらしいものが多いため、私は整体・アロマリンパケアなどの他の施術にも『タイ古式の4N』を採用しています。 さいごに いかがですか? タイ古式マッサージって、なかなかすごいでしょう! タイ古式マッサージは、ただ気持ちいいだけではないことが、お分かりいただけましたでしょうか。 世界で認めたタイ古式マッサージに日本でも出会えるあなたはとてもラッキーです。 気になる方は、今すぐタイ古式マッサージ店に予約を入れましょう!(笑) 著者:今西 昌平 Kindle 筆者プロフィール 今西 昌平 太古 代表 外資系企業のマネジメントを経験し、早期退職。 充電期間中に受けた人生初のタイ古式マッサージに魅了され スクールに通い、タイ古式マッサージと整体を履修。 当初趣味のつもりが、そのうち天職と考えるようになり、 プロを目指すことに。 現在、京王線つつじヶ丘駅徒歩3分のところで個人サロンを運営。 メニューは、タイ古式マッサージ、アロマリンパケア、整体の3療術。 オリジナルで考案した『太古スペシャル』は痛くなく、深層のこりを ほぐすアプローチで、特に首肩こりでお悩みの方に好評。 また、3療術の要素をコラボした施術が独特で人気。
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筆者プロフィール
今西 昌平
太古 代表
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