足指の変形に大きく関わっているのが靴です。 みらいクリニックフットケアセンターの場合、靴選びの基準は「足指が靴の中で機能的に動かせるか」。 きゅっと締め付けて足指が動かせない状態が続けば、足自体の筋力が低下。 開帳足や外反母趾(ぼし)、扁平(へんぺい)足の原因になり、さまざまな全身の症状を引き起こします。 靴の種類によって選び方は異なりますが、ここでは体のゆがみをとるための靴選びを紹介いたします。 靴選びの4つのポイント 靴の中で素足の状態をつくるのが最適。ただ、ぶかぶかでは靴の中で滑る足を踏ん張ろうとして指が曲がります。 足を地面から保護しつつ、指の機能を妨げないことが靴選びのポイントです。 1.ひもを通す穴(ハトメ)は五つ以上 靴ひもには靴と足を一体化させるテーピングの役割があります。ハトメが多いほど足が靴の中で滑りにくくなり、指を曲げない環境をつくれます。点で支える丸ひもより、面で支える平ひもで固定した方が足が安定します。 2.かかと(ヒールカウンター)が固い かかとには椅子の背もたれと同じ役割があります。背もたれのない車で運転したら体はすぐに疲れます。同様に、手で押してもつぶれないくらいの固さがあれば、かかとの骨を靴の中で支えられ、靴の中で足が安定します。横ぶれも少なくなり、指が曲がりにくくなります。 3.ねじれない 歩くとき、体重の2~3倍の負荷が靴にかかります。柔らかい靴は、こんにゃくの上に足を乗せるようなもの。底に靴のねじれを防ぐ「シャンク」と呼ばれる強い芯があるものがお薦めです。 4.中敷きから足指がはみ出していない 中敷きを取り出し、足を乗せてみて。指がはみ出していたら靴の中で窮屈になっているので、ハイヒールを履いているのと同じ状態です。 ただ、正しい靴を選んでも履き方が悪いと期待した効果は得られません。 靴のサイズは足長+1㎝が基本 靴の中で足指が自由に動くためには、指先の余り(捨て寸)が1㎝以上は必要です。 立った状態で左右の足の長さを測り、長い方の足に合わせて靴を選んでいきます。 指先と中敷きの先端までに人差し指の横幅くらいの余りがあれば大丈夫です。 足指のケアを行うと足長が伸びていきますので、半年おきに再計測を行うことをお勧めします。逆に足の筋力がついてアーチが形成され足長が小さくなる方もいます。 定期的な靴の買い替えを 靴は基本的に踵が命ですから、どんなに良い靴でも踵を踏んでしまったり靴底がすり減ってしまったら寿命です。 靴の状態が体を表現していますから、劣化しすぎると体にも大きな負担をかけてしまいます。 踵の補修ができない靴の場合は、半年~1年に一度の買い替えをお勧めします。 一生元気でいたければ足指を広げなさい 著者名:湯浅慶朗 出版社:あさ出版 著者プロフィール: 湯浅慶朗(ゆあさよしろう) 理学療法士 みらいクリニック付属フットケアセンター長 西日本新聞で22回連載 NHK放送 「サキどり」に2回出演 フットケアセンターでの足腰の悩みに取り組む他、専門家向けの講演で全国のみならず、海外でも講演会を行い、世界各地を飛び回わる傍ら、独自ブランドの足指を矯正する靴下ゆびのばソックスの開発や研究も行い、活動は多岐にわたる。 Anan、日経ヘルス、クロワッサンなど多くの雑誌にも掲載。 あさ出版「一生元気でいたければ足指を伸ばしなさい」など著書多数。
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著者プロフィール:
湯浅慶朗(ゆあさよしろう)
理学療法士
みらいクリニック付属フットケアセンター長
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