頭痛の意外な原因は○○にあった!整体のプロが誰にでもできる改善法をご紹介!
頭痛の黒幕はアゴにあった! 私は整体家になってから、これまでの15年間で約3万9000人の骨格を見てきました。たくさんの方々を拝見させていただいたなかで、とてもおもしろい統計があります。それは、 ①アゴの不調を訴える方の多くが、頭痛でも悩んでいた。 ②頭痛を訴える方の多くに、アゴの異状(ズレ)があった。 ということです。 ではなぜ?アゴの不具合が気になる人には、頭痛が多いのでしょうか? またなぜ?しょっちゅう頭痛になる人は、アゴの状態が悪いのでしょうか? アゴほど不安定な場所はない 人間の骨格のなかで、もっとも繊細で壊れやすく、不安定な構造をしているのがアゴです。 ・アゴは頭蓋骨からぶら下がっているだけの構造 ・縦横どちらの動きに対しても支えが弱く、もっとも不安定な関節 ・噛み合わせや片噛みなどによってズレやすい ・アゴの軟骨(関節円板)はとても薄くて壊れやすい組織 ・1日のなかでもっとも多く使われている関節がアゴ ・咀嚼(噛む)では約30kgもの負荷がかかると推測されている まるでブランコのように、耳の付け根からぶら下がっているだけの骨を、わずかな数の筋肉と靭帯だけで止めている状態ですから、当然ながらちょっとした負荷や外力にも弱く、関節のサブラクセーション(ズレ)が起きやすい構造です。 頭痛は顔の横から始まる 何らかの理由によってアゴがズレると、顔面~頭蓋骨にもズレが生じてしまい、頭部の筋肉が引っ張られて頭痛が起きやすくなります。 またアゴがズレることによって頚椎にもズレが生じると、そこから逆行的に背骨を経由した歪みが骨盤にまで波及してしまいますから、慢性的な首の痛みや肩こり、腰痛や手足のしびれ、めまい・イライラ・倦怠感・不眠・息苦しさ・どうき・顔のほてり・多汗・各種アレルギー・耳鳴り・耳閉感・難聴などといった、自律神経の乱れによって誘発される各症状も起きやすくなります。 口を開けるとアゴから「コリコリ」「パキン」と音がしたり、「ガクン」とズレて開いたりする、いわゆる「顎関節症」または「顎関節症の手前の段階」にある人には、このような不定愁訴=原因の分かりにくい不調や、検査をしても異常の見つかりにくい症状を訴えるケースが多いということ。 そしてアゴの状態が良くなってくると、それにともなって頭痛や肩こり、耳鳴りやめまいなどの頻度も減少、あるいは消失する方が、現場では想像以上に多いのです。 アゴの異常を探すには? これから対処法をお伝えしていきますが、アゴの異常のタイプによって対処法が異なります。 まずはご自身がどちらのタイプかを把握しましょう。 タイプA ①口を開けると「パキン」「コリコリ」と明らかに片側だけアゴが鳴る。 (鳴る側が患部) ②耳穴の前に指を当てて口を開くと、明らかに片側だけガクンとする。 (ガクンとする側が患部) ③ものを噛むと明らかに片側だけアゴが痛い。 (痛い側が患部) ④口を開けると明らかに片側だけアゴが痛い。 (痛い側が患部) ⑤鏡の前で口を開けると、明らかに斜めに開く。 (斜めに開いて行く側が患部) ⑥明らかに見た目アゴの先端が片側にズレている。 (ズレている側が患部) ⑦明らかに見た目片側のエラが張っている、または大きい。 (エラ張り、大きい側が患部) タイプB ①口を開ける時も閉じる時も両側から音が出る、または両側とも音がしない。 ②口を開ける時も閉じる時も両側がガクンとする、または両側ともガクンとしない。 ③口を開けると両側のアゴが痛い、または両側とも痛くない。 ④ものを噛むと両側のアゴが痛い、または両側とも痛くない。 ⑤口を開ける時と閉じる時でガクンとする側が変わる。 (開ける時は左、閉じる時は右がガクンとなるなど) ⑥口を開ける時と閉じる時で音の出る側が変わる。 (開ける時は左、閉じる時は右がパキンと鳴るなど) ※明確に把握できた人は「タイプA」で、あまりよく分からなかった人は「タイプB」で行います。 頭痛・顎関節症を改善する「アゴズレン」のやり方 ①耳の穴のすぐ前に中指を置き(耳の穴と丸い骨の間)少しずつ指を上にズラして行きます。※両方同時に行ってください。 ②指の腹で3本目~5本目の間に凹みがあることを確認します。 ③その凹みのなかで押すと一番痛く感じる部分を探します。 ※この部分をスイートスポットといいます。 ④スイートスポットに両側から中心に向かって中指を強く押しつけ、下アゴを前に出します。 ⑤下アゴを前に出したまま、アゴがズレている側(患部側)と反対側へズラします。 (左が患部であれば右へアゴをズラします) ⑥指を強く押し付けたまま、口をパクパク上下に30回動かします。 Aタイプの人は上記の、①~⑥まで行います。 Bタイプの人は、Aタイプと同様に①~⑥まで行った後、⑤~⑥と同じことを反対側(健部側)も行います。 回数の目安 1日2回を目安に行いましょう。 1日1回でもかまいません。 (あまりやり過ぎると、かえって顎関節を悪化させる場合もありますので、1日2回を限度としてください) スイートスポットを強く押しながら口を動かすことで、顎関節~頭蓋骨の歪みの固定化を防ぐことができ、筋緊張型の頭痛を起きにくくする効果があります。 またスイートスポットの血流を常に良くしておくことで、血管(浅側頭動脈)の急激な拡張を防ぐこともできますから、片頭痛の発生予防にも大きな期待ができます。もちろんアゴのズレが矯正されることで、顎関節症も改善することができます。 アゴのゆがみを整えると健康になる著者:宮腰 圭出版社:廣済堂出版 筆者プロフィール 宮腰 圭(みやこし けい) 整体家。骨と筋代表。アカデミー骨と筋主宰。 1969年秋田県生まれ。50年代のアメリカに憧れ、テネシー州メンフィスでバンド活動に励んだのち、30才のときに音楽で生計を立てる道を断念。一転カイロプラクティックの道を志し、日本カイロプラクティックカレッジに入学。2001年より米国政府公認ドクター中島旻保D.Cのセンターに勤める。2006年より中目黒にて開業し、2010年にはスクールを開校、現在は神楽坂に拠点を移設し施術や整体家の育成に努める。誰もが自分で治せる療法の開発にも力を入れており、セルフメソッドの発明王!との異名をもつ。著書に「1日10分歩き方を変えるだけでしつこい肩こりが消える本」「1日30秒足を振るだけでしぶとい腰痛が消える本」などがある。
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